本文へスキップ
栄養効果が何倍にも!?食材が持つチカラを引き出す食べ合わせ解説サイト|メディカルアーカイブ

<当サイトは医療専門職が監修・運営しています>

良い?悪い?ブドウの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

ブドウの食べ合わせ

更新:


 ブドウにはブドウ糖や果糖などの糖質が豊富に含まれており、即効性のエネルギーとして疲労回復に役立ちます。また、ブドウの皮にはポリフェノールが豊富に含まれており、抗酸化作用が期待できます。ブドウの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


ブドウはどんな食材?

ブドウは甘くて大好きですけど、歴史は古いんですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト 紀元前3000年頃には栽培されていたと言われるくらい、歴史が古いんですよ。

生で食べるブドウ以外にも種類があるんですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト 世界中でたくさんの品種があり、ワイン用や干しブドウ用などもあるんですよ。

 ブドウの栽培の歴史は非常に古く、紀元前3000年頃から栽培が行われていたと言われています。ブドウを原料としたワインがメソポタミア文明や古代エジプトで重宝されていたことからも、ブドウの歴史が古いことがわかります。

 ブドウは平均気温が10〜20℃あたりの温帯地域が栽培に適しており、水はけがよく日当たりが良い土地を好みます。ブドウと一言で言っても非常に多くの品種があり、ワイン用のほか、干しブドウ用、生食用のブドウがあります。

 世界におけるブドウの生産量は1位のバナナ、2位のかんきつ類に次いで第3位の果物であり、生産量だけでみると中国が世界最大の生産国となっています。なお、日本では山梨県が最大の生産地であり、第2位が長野県となっています。

ブドウに含まれている栄養素

ブドウにはどんな栄養が含まれているんですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト 即効性のエネルギー源となる、ブドウ糖が多く含まれていますよ。

ブドウ糖ってブドウにしか含まれていないんですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト ブドウから発見されたからブドウ糖と名付けられましたが、いわゆるグルコースという糖のことです。

■エネルギー源となるブドウ糖が豊富
 ブドウにはブドウ糖や果糖などの糖質が豊富に含まれており、即効性のエネルギーとして疲労回復の効果が期待できます。

 通常糖分は体内で分解されて、ブドウ糖になってからエネルギーとして使用されるからです。ブドウ糖は脳細胞の大切なエネルギー源でもあります。

■ポリフェノールには抗酸化作用がある
 ブドウの皮にはポリフェノールが豊富に含まれています。ポリフェノールは血栓ができるのを防ぎ、抗酸化力でガンや老化の原因とされている活性酸素を減らす働きがあると言われています。

 ブドウを絞って作る赤ワインにはポリフェノールがたくさん入っているほか、エネルギー代謝を助けるクエン酸や酒石酸、ビタミンB1ビタミンB2、強い抗酸化力で活性酸素を抑えるビタミンCビタミンEが含まれています。

 干しブドウは栄養分が凝縮されており、カリウムカルシウム鉄分マグネシウム、銅などがブドウの5〜20倍も含まれていることから、貧血や骨粗しょう症の予防に効果的であると考えられています。



栄養解説
血圧や水分の調節に欠かせない!〜カリウムの働きと効果をポイント解説〜
【意外に知らない】骨に欠かせないマグネシウム〜摂取の黄金比率を解説〜
鉄分は摂りにくい!〜効果効能と吸収を助ける上手な摂り方を徹底解説〜

ブドウ100gあたりの栄養価

 以下の表では、ブドウ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 69 kcal
炭水化物 18.1 g
糖類 15.48 g
食物繊維 0.9 g
脂肪 0.16 g
タンパク質 0.72 g
ビタミンB1 0.069 mg
ビタミンB2 0.07 mg
ビタミンB3 0.188 mg
ビタミンB5 0.05 mg
ビタミンB6 0.086 mg
葉酸 2 μg
ビタミンC 10.8 mg
カリウム 191 mg
カルシウム 10 mg
マグネシウム 7 mg
リン 20 mg
鉄分 0.36 mg
亜鉛 0.07 mg
マンガン 0.071 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

ブドウ糖ってどうして即効性のエネルギー源なんですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト 私たちの細胞は、ブドウ糖しかエネルギーに使えないんですよ。

じゃあ、ほかの糖とか、デンプンとかはどうやってエネルギーになるんですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト 体内でブドウ糖になるまで分解されます。最初からブドウ糖だとすぐに使えるから即効性なんですよ。

 ブドウに豊富に含まれているブドウ糖は別名グルコースとも呼ばれています。ブドウ糖はその名の通り、ブドウから見つかったのでブドウ糖と名付けられました。

 私たちの体の細胞はこのブドウ糖をエネルギー源として活動をしています。食べ物から摂取されたデンプンなどの糖質は、最終的にブドウ糖になるまで分解されてから、エネルギー源として利用されます。

 ブドウ糖になるまで分解するには時間がかかるため、最初からブドウ糖を摂取すれば、即効性のあるエネルギー源として利用することができます。

 このブドウ糖を多く含むブドウと一緒に食べ合わせるとよい食材として、クエン酸を豊富に含むミカンやパイナップル、キウイフルーツが挙げられます。

 クエン酸は酸っぱいと感じる酸味成分ですが、体内ではクエン酸回路と呼ばれるエネルギー代謝に関与している物質であり、クエン酸を摂ることでエネルギー代謝がすすみ、代わりに疲労物質である乳酸の分解を促す効果が期待できます。

 そのため、即効性のエネルギー源となるブドウ糖を多く含むブドウと、クエン酸を豊富に含む果物を一緒に食べ合わせることで、疲労回復効果が期待できます。



関連食材
みかんの栄養 みかんの栄養と効能効果〜肌と体に良い成分・白い筋についても紹介〜
まさにフルーツ最強!キウイフルーツの栄養と効能効果を徹底解説
【意外に知らない】パイナップルの栄養成分〜疲労回復効果を詳しく解説〜

一緒に食べるとよい食材
期待できる効果



一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
キウイフルーツ
ミカン
パイナップル
疲労回復
アスパラガス
かぼちゃ
大根
高血圧、血栓症の予防
きゅうり
ふき
セロリ
カレー粉
利尿作用、腎機能改善
アロエ
パパイア
パイナップル
胃腸を整える


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|ぶどう/皮なし/生

関連記事
知っておきたい!果物の食べ合わせと栄養
食べ合わせとは一体なに?
知っておいて損はない!食べ合わせの悪い食材とは
知らなかった!実は無意識にやっていたよい食べ合わせとは
うなぎと梅干し、天ぷらとスイカ、本当に食べ合わせはよくないの?




食べ合わせを食材別に調べる

野菜 果物 きのこ
野菜 果物 キノコ
肉・乳製品 魚介類 海藻
肉・乳製品 魚介類 海藻
豆類 種子類 嗜好品
豆類 種子類 嗜好品