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大豆は味噌や醤油、豆腐の原料にもなり、日本食には欠かせない食材であると言えます。大豆には良質なタンパク質が豊富に含まれているほか、ビタミンB群やカリウムも多く含まれており、栄養価が非常に高い食材です。大豆の食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
大豆は日本食と切っても切れない関係の食材で、縄文遺跡からも見つかるなど非常に長い歴史があります。そのまま煮豆として食べることもできますが、豆腐や油揚げ、納豆、きなこなどの食材に加工されるほか、味噌や醤油など和食に欠かせない調味料の原料にもなります。
大豆はもともと東アジアに限られた作物でしたが、油や家畜用飼料としての用途が注目されてからは世界中で生産が行われるようになりました。その取引量は小麦に匹敵するものとなっています。
大豆の世界最大の生産国はアメリカであり、次いでブラジル、アルゼンチンとなっています。この3か国だけで世界の生産量の約80%を占めています。かつては中国が世界最大の生産国でしたが、現在は世界最大の輸入国となっています。
■カリウムが豊富に含まれている
大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど栄養価が高く、良質なたんぱく質と脂質、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6などのビタミンB群、ビタミンEのほか、ダイズサポニンが豊富に含まれています。
ダイズサポニンには過酸化脂質の生成を抑えたり、脂質の代謝を促進し血中に脂質が増えるのを抑える働きがあると言われています。また、余分なナトリウムの排泄に効果的なカリウムも多く含まれています。
■不飽和脂肪酸のリノール酸が多い
大豆の脂質には豊富に不飽和脂肪酸のリノール酸が含まれています。リノール酸にはコレステロールを下げる働きがあると言われており、ダイズサポニンとの相乗効果が期待できます。ビタミンEには強力な抗酸化作用があり、老化の原因と考えられている活性酸を発生を抑え、老化の予防に役立つと考えられています。
また、大豆にはフラボノイドのイソフラボンが含まれています。これには女性ホルモンに似た働きがあり、更年期障害の緩和や骨粗しょう症の予防に効果があると言われています。
以下の表では、大豆100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 422 kcal |
炭水化物 | 29.5 g |
食物繊維 | 17.9 g |
脂肪 | 19.7 g |
飽和脂肪酸 | 2.59 g |
一価不飽和 | 4.80 g |
多価不飽和 | 10.39 g |
タンパク質 | 33.8 g |
ビタミンB1 | 0.71 mg |
ビタミンB2 | 0.26 mg |
ビタミンB3 | 2.0 mg |
ビタミンB5 | 1.36 mg |
ビタミンB6 | 0.51 mg |
葉酸 | 260 μg |
ビタミンC | 3 mg |
ビタミンE | 2.3 mg |
ビタミンK | 18 μg |
カリウム | 1900 mg |
カルシウム | 180 mg |
マグネシウム | 220 mg |
リン | 490 mg |
鉄分 | 6.8 mg |
亜鉛 | 3.1 mg |
銅 | 1.07 mg |
マンガン | 2.51 mg |
■カリウムが余分なナトリウムを排泄する
大豆には良質なタンパク質のほか、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。なかでも特筆すべきはカリウムの多さです。
カリウムは体内の水分量を調節したり、余分なナトリウムの排泄を促進する働きがあり、むくみの解消や、高血圧の予防に効果があると言われています。
■タウリンが豊富な食材がおすすめ
このカリウムが豊富な大豆と一緒に食べ合わせるとよい食材として、タウリンを豊富に含むタコやイカが挙げられます。
タウリンはアミノ酸の一種であり、コレステロールや中性脂肪を減らしたり、交感神経を抑制して血圧を正常に保つ働きが知られています。
また、水溶性食物繊維であるアルギン酸を豊富に含むワカメもおすすめです。アルギン酸はナトリウムの排泄を促進する働きがあると言われており、カリウムが豊富な大豆と食べ合わせることで高血圧の予防効果が期待できます。
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
---|---|
ごぼう じゃがいも トマト ブロッコリー |
ガン予防 |
タコ イカ ワカメ |
高血圧の予防 |
きゅうり うり にがうり セロリ |
むくみ解消、腎機能改善 |
大根 タマネギ チンゲン菜 かぼちゃ |
糖尿病の予防と改善 |