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良い?悪い?シイタケの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

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 シイタケはなんと言っても旨味成分であるグルタミン酸が豊富なキノコです。シイタケは乾燥させることで旨味や香りが増すほか、天日干しすることでビタミンDが増えることがわかっています。シイタケの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


シイタケはどんな食材?

椎茸はどんな食材か

 シイタケは日本人には大変馴染みのあるキノコであり、日本国内で幅広く栽培することができます。英語名でもShiitakeとそのままの名前で呼ばれており、日本を代表するキノコであることが伺えます。

 シイタケにはうま味成分が含まれており、そのまま食べるほかにも、香りや旨味を楽しむために出汁をとったりします。乾燥させても水で戻すことができることから、干し椎茸としても多く流通しています。

 シイタケは乾燥させることで旨味や香りが増すほか、天日干しすることでビタミンDが増えることがわかっています。なお、シイタケの旨味成分は熱に弱いため、グツグツ煮込むのではなく、冷水で一晩漬けておくのがよいとされています。

シイタケに含まれている栄養素

椎茸に含まれている栄養素

■旨味成分のグルタミン酸が豊富
 シイタケの旨味成分はグルタミン酸です。グルタミン酸は脳の栄養素として欠かせない成分で、脳の老化防止に効果があると考えられています。また、同じく脳の老化防止に効果があると言われているビタミンB6も含まれています。

 シイタケなどのきのこ類には食物繊維が豊富ですが、これらはβ‐グルカンと呼ばれ、強い抗がん作用があると言われています。

 β‐グルカンは免疫細胞であるマクロファージやNK細胞を活性化することで、ガン細胞を除去したり抑えたりする効果が期待できます。β‐グルカンは、健康食品で有名なアガリスクなどに多く含まれています。

■エルゴステリンがカルシウムの吸収を助ける
 シイタケにはエルゴステリンも豊富に含まれています。エルゴステリンは日光や紫外線に当たると体内でビタミンDに変化します。

 ビタミンDカルシウムやリンの吸収を助ける働きがあり、骨粗しょう症の予防と改善に効果があると言われています。

栄養解説
【意外に知らない】ビタミンB6の働き〜効果効能と摂り方を詳しく解説〜
ビタミンDの知られざる栄養効果〜骨や歯を丈夫にする働きを徹底解説〜
骨だけじゃない!カルシウムの働き〜効果効能と摂り方を詳しく解説〜



シイタケ100gあたりの栄養価

椎茸100gあたりの栄養価

 以下の表では、シイタケ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 19kcal
炭水化物 5.7 g
食物繊維 4.2 g
脂肪 0.3 g
飽和脂肪酸 0.04 g
一価不飽和 0.01 g
多価不飽和 0.15 g
タンパク質 3.0 g
ビタミンB1 0.13 mg
ビタミンB2 0.20 mg
ビタミンB3 3.1 mg
ビタミンB5 1.05 mg
ビタミンB6 0.21 mg
葉酸 44 μg
ビタミンD 0.4 μg
カリウム 280 mg
マグネシウム 15 mg
リン 87 mg
鉄分 0.3 mg
亜鉛 1.0 mg
0.09 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高める椎茸の食べ合わせ

■エルゴステリンがビタミンDに変わる
 シイタケにはビタミンDの前駆体であるエルゴステリンが豊富に含まれており、日光や紫外線に当たると体内でビタミンDに変わります。ビタミンDは魚に多く含まれているビタミンであり、カルシウムやリンの吸収をよくし、骨や歯への沈着を助ける働きがあります。

 このビタミンDに変わるエルゴステリンを多く含むシイタケと一緒に食べ合わせるとよい食材として、カルシウムを豊富に含むチーズや、豆腐などの大豆製品が挙げられます。

■丈夫な骨をつくるには適度な運動も大切
 骨や歯はカルシウムやリンから成り立っていますが、ビタミンDが不足したり、体内でカルシウムやリンが不足すると、骨からカルシウムやリンが血液中に溶け出し、骨や歯はどんどんもろくなっていきます。

 そのため、ビタミンDの前駆体であるエルゴステリンを豊富に含むシイタケと、カルシウムを多く含む食材を一緒に食べることで、腸管からのカルシウムの吸収をよくし、骨や歯への沈着を助け、丈夫な骨や歯を形成する効果が期待できます。

 なお、丈夫な骨はカルシウムを摂るだけではつくることができず、運動などによって適度な負荷をかけると、丈夫な骨をつくることができます。

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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
イワシ
豆腐
大豆
チーズ
骨粗しょう症の予防
イカ
タコ
サバ
セロリ
高血圧予防、動脈硬化予防
ごま
くるみ
かぼちゃ
マヨネーズ
老化防止、脳の活性化
アスパラガス
ブロッコリー
のり
ガンの予防

食べ合わせと栄養のまとめ

椎茸の食べ合わせと栄養

 シイタケは日本を代表するキノコであり、日本中で広く栽培されています。シイタケはなんと言っても旨味と香りが特徴であり、日本食には欠かせない存在です。

 シイタケは旨味成分であるグルタミン酸や、食物繊維が多く含まれています。また、エルゴステリンと呼ばれるビタミンDの前駆体が豊富に含まれており、日光や紫外線によってビタミンDに変わります。

 ビタミンDはサケやイワシなどの魚に多く含まれていますが、キノコ類にはエルゴステリンとして存在しています。

 ビタミンDにはカルシウムやリンの吸収をよくし、骨や歯への沈着を助け、丈夫な骨や歯をつくる働きが期待できるため、シイタケと一緒にカルシウムを多く含む食材を食べ合わせるのがおすすめです。

 カルシウムはチーズや大豆、豆腐や油揚げなどの大豆製品に多く含まれており、いずれも食材の相性は抜群です。シイタケは食べ合わせによって栄養効果をより引き出すことができますので、上手に食材を組み合わせてみましょう。

参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|しいたけ/生しいたけ/菌床栽培/生

出典6:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|しいたけ/乾しいたけ/乾

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