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良い?悪い?クルミの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

くるみの食べ合わせ

更新:


 クルミは世界中で愛されているナッツの代表格であり、アメリカでたくさん栽培されています。クルミには脂質やタンパク質、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、なかでも不飽和脂肪酸のリノール酸、リノレン酸が多く含まれています。クルミの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


クルミはどんな食材?

くるみはどんな食材か

 くるみは北半球の温帯地域に広く分布しており、木材はウォールナットという名称で知られています。日本でも自生しており、縄文時代には食べられていたと言われています。

 くるみは非常に硬い殻に覆われた種子の中身である仁と呼ばれる部分を食用にしたもので、アメリカのカリフォルニア州や中国で盛んに栽培しています。

 ミックスナッツの定番として食されるほか、サクサクとした食感があるため、洋菓子や和菓子の原料としても用いられています。

クルミに含まれている栄養素

くるみに含まれている栄養素

■豊富な脂質の多くが不飽和脂肪酸
 クルミには脂質やタンパク質、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。なかでも脂質が豊富で不飽和脂肪酸のリノール酸、リノレン酸が多く含まれています。

 リノール酸はコレステロールを下げて動脈硬化の予防に効果があります。リノレン酸は生体機能を調節するプロスタグランジンというホルモンの原料になり、ホルモンの調節や細胞の活性化などに働きます。またDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を合成する働きもあります。

 DHAは脳の神経細胞に含まれている物質で、脳機能や神経組織の情報伝達を活性化する働きがあります。このほか、体質を改善してアトピー性皮膚炎にも効果があるとされています。

 EPAは血栓を溶かし血管を拡張する働きがあるため、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症の予防効果が期待できます。

■ビタミンB1とB2が豊富に含まれている
 クルミにはエネルギー代謝に関わるビタミンB1ビタミンB2が豊富に含まれています。ビタミンB1は豚肉やレバーなどの動物性の食材に多く含まれていますが、クルミなどのナッツ類にも比較的多く含まれており、、疲労回復とスタミナアップに効果があります。

 このほか、クルミにはカリウムマグネシウム鉄分亜鉛など各種ミネラルも豊富に含まれています。

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クルミ100gあたりの栄養価

くるみ100gあたりの栄養価

 以下の表では、クルミ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 654kcal
炭水化物 13.71 g
糖類 2.61 g
食物繊維 6.7 g
脂肪 65.21 g
飽和脂肪酸 6.126 g
一価不飽和脂肪酸 8.933 g
多価不飽和脂肪酸 47.174 g
タンパク質 15.23 g
ビタミンB1 0.341 mg
ビタミンB2 0.15 mg
ビタミンB3 1.125 mg
ビタミンB5 0.57 mg
ビタミンB6 0.537 mg
葉酸 98 μg
コリン 39.2 mg
ビタミンC 1.3 mg
ビタミンE 0.7 mg
ビタミンK 2.7 μg
ナトリウム 2 mg
カリウム 441 mg
カルシウム 98 mg
マグネシウム 158 mg
リン 346 mg
鉄分 2.91 mg
亜鉛 3.09 mg
マンガン 3.414 mg
出典:USDA食品成分データベース

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高めるくるみの食べ合わせ

■βカロテンが抗酸化作用を発揮
 クルミの主成分は脂質であり、その7割以上が不飽和脂肪酸と言われています。また、ビタミンB1ビタミンB2ビタミンEが多く含まれているのも特徴で、昔から美容にも活用されてきました。

 このクルミと一緒に食べ合わせるとよい食材として、βカロテンを豊富に含むほうれん草や春菊、カボチャが挙げられます。

 βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり、髪や爪、皮膚、粘膜を健康に保つ働きがあるほか、βカロテンとしても免疫力を上げたり、強い抗酸化作用によって細胞に悪影響を与える活性酸素の発生を抑える働きがあります。

■ビタミンB2とビタミンCで美肌効果
 ほうれん草やカボチャにはビタミンCも豊富に含まれています。ビタミンCは皮膚を構成するコラーゲンの生成に関わっているほか、シミの原因となるメラニン色素の沈着を抑える働きがあります。

 クルミに多く含まれているビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持に欠かせないビタミンであるため、クルミと一緒にβカロテンビタミンCを豊富に含む食材を食べ合わせることで、さらなる美肌効果が期待できます。

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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
ほうれん草
春菊
カボチャ
美肌効果
アスパラガス
タマネギ
納豆
高血圧、動脈効果の予防
ゴマ
鶏卵
牛乳
ほうれん草
ニラ
老化防止、
健脳効果
ゴマ
大豆
カツオ
うなぎ
健忘症改善、
記憶力向上


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|くるみ/いり

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