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 ゴマは油の含有量が高い食材であり、古くから食用油の原料としても重宝されてきました。抗酸化作用のあるセサミンやビタミンEが豊富に含まれているほか、脂質には不飽和脂肪酸のオレイン酸やリノール酸が多く含まれています。ゴマの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
          
 
           ゴマの栽培の歴史は古く、紀元前から栽培されていたとされています。香りが高く、油の含有率が50%を超えているため、食材としての活用のほか、食用油の原料としても重宝されてきました。
          
           日本で流通しているゴマの99.9%は輸入品であり、日本国内ではほとんど栽培されていません。世界の生産国を見ると、ミャンマーが1位、インドが2位、中国が3位(2010年)となっています。
          
           ゴマと一言で言っても、黒ゴマ、白ゴマ、金ゴマの3つに分類され、料理の彩りとして使い分けられますが、栄養価にはほとんど差がありません。ゴマは炒ることでゴマ本来の香りが引き立つほか、固い種皮に覆われているので、栄養を引き出すにはすり鉢で擦ってから食べると効果的です。
          
           ゴマ油は香ばしい香りが特徴ですが、炒ったごまを原料にしたからであり、炒っていないごまを搾油すると、くせのない油を採ることができます。
          
          
 
          ■セサミンが強い抗酸化作用を発揮
           ゴマにはセサミンやセサミノール、セサモリンなどの抗酸化物が含まれており、これらはゴマリグナンと呼ばれています。セサミンは抗酸化作用により、体内で活性酸素が生成されるのを抑える働きがあります。
          
           セサミンは肝臓付近で吸収されるので特に肝臓で効果を発揮し、肝機能を強化する働きがあります。また強力な抗酸化力を持つビタミンEも豊富に含まれており、セサミンとの相乗効果が期待できます。
          
          ■脂質には不飽和脂肪酸が豊富
           ゴマには脂質が豊富に含まれていますが、体内で合成することのできない必須アミノ酸のトリプトファンやメチオニンからなる良質なタンパク質も含まれています。
          
           また、カルシウムやマグネシウム、リン、亜鉛などのミネラルのほか、ビタミン類も豊富に含まれていますので、普段の料理にうまく活用したい食材と言えます。
            
           ゴマの脂質には不飽和脂肪酸のオレイン酸やリノール酸が豊富に含まれており、コレステロールを減らしたり、過酸化脂質の生成を抑える効果が期待できます。
          
 
           以下の表では、ゴマ(いり)100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
          
| エネルギー | 599kcal | 
| 炭水化物 | 18.5 g | 
| 食物繊維 | 12.6 g | 
| 脂肪 | 54.2 g | 
| タンパク質 | 20.3 g | 
| ビタミンB1 | 0.49 mg | 
| ビタミンB2 | 0.23 mg | 
| ビタミンB3 | 5.3 mg | 
| ビタミンB5 | 0.51 mg | 
| ビタミンB6 | 0.64 mg | 
| 葉酸 | 150 μg | 
| ビタミンE | 0.1 mg | 
| ビタミンK | 12 μg | 
| ナトリウム | 2 mg | 
| カリウム | 410 mg | 
| カルシウム | 1200 mg | 
| マグネシウム | 360 mg | 
| リン | 560 mg | 
| 鉄分 | 9.9 mg | 
| 亜鉛 | 5.9 mg | 
| 銅 | 1.68 mg | 
 
          ■ゴマは非常に栄養価が高い
           ゴマは古くから食用油の原料になるほど脂質が多く含まれており、その中にはリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
          
           また、カリウムやカルシウム、マグネシウムといった各種ミネラルや、ビタミンE、必須アミノ酸も豊富に含まれており、非常に栄養価の高い種子の1つであると言えます。
          
           このゴマで特筆すべきは、強い抗酸化作用を持つゴマリグナンの一種であるセサミンです。セサミンは強い抗酸化作用によって体内で発生する有害な活性酸素の働きを抑える効果が期待できます。
          
           このセサミンを含むゴマと一緒に食べ合わせるとよい食材として、トマトが挙げられます。
          
          ■リコピンとセサミンで抗酸化作用
           トマトには赤色色素であるリコピンが豊富に含まれていますが、このリコピンにも強い抗酸化作用があることがわかっており、老化やガンの原因となる活性酸素を抑える働きが期待できます。
          
           また、トマトやゴマにはカリウムが豊富に含まれています。カリウムは体内の水分量を調節したり、余分なナトリウムの排泄を促す働きがあるため、むくみを解消したり、高血圧を予防すると言われています。
          
           そのため、ゴマとトマトを一緒に食べ合わせることで、セサミンとリコピンの強い抗酸化作用によって活性酸素の働きを抑えて動脈硬化を予防し、高血圧を改善する効果が期待できます。
          

| 一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 | 
|---|---|
| アスパラガス 小松菜 トマト ほうれん草 | 高血圧、動脈硬化の予防 | 
| マグロ イワシ カツオ サケ | 老化防止、 健脳効果 | 
| 大豆 牛乳 昆布 小魚 | 骨粗しょう症の予防と改善 | 
| あずき ふき きくらげ チンゲン菜 | 便秘の予防 | 
| 出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|ごま/いり | 
 
  
  
  
 