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海苔は日本食に欠かせない食材の1つです。海苔には他の海藻と同様に、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれていますが、主成分は意外にも良質なタンパク質です。その含有量は35%にもなり、大豆にも匹敵しています。海苔の食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
海苔は日本料理を代表する食材であり寿司や海苔巻き、おにぎりのほか、さまざまな具や加工品として利用されています。海苔は食用の藻類の総称であり、海苔と聞いて私たちが連想する板海苔は江戸時代から作られるようになりました。
板海苔は縦21cm、横19cmと決められており、これを全型と呼びます。この全型を八つ切りにした大きさのものが「おかずのり」として販売されています。
日本で流通している海苔のほとんどは養殖です。1949年に海苔のライフサイクルが解明されてから養殖技術が確立され、海苔の養殖が広まりました。
海苔の産地としては佐賀県が有名であり、生産量はダントツの一位となっています。このほか主な産地として、宮城県、千葉県、兵庫県、福岡県などが挙げられます。
■意外にもタンパク質が多い食材
海苔の主成分は意外にも良質なタンパク質で、健全な身体の発育に大変重要です。その含有量は35%にもなり、大豆にも匹敵しています。
このほか他の海藻と同様に、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
■βカロテンの含有量はトップクラス
海苔にはβカロテンが非常に多く含まれています。βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり、眼精疲労や眼病の予防、粘膜を保護し感染症に対する抵抗力を強くすると言われています。
また、強い抗酸化作用でガンや老化の原因になる活性酸素を発生を抑える働きもあると言われており、老化防止などの効果が期待できます。
海苔に多いビタミンB12は葉酸とともに赤血球をつくる働きがあり、鉄分との相乗効果で貧血予防に効果があります。このほか歯や骨を丈夫にし、神経の興奮を静め精神を安定させるカルシウムやマグネシウムも豊富に含まれています。
以下の表では、海苔(焼きのり)100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 188 kcal |
炭水化物 | 44.3 g |
食物繊維 | 36.0 g |
脂肪 | 3.7 g |
飽和脂肪酸 | 0.55 g |
一価不飽和 | 0.20 g |
多価不飽和 | 1.39 g |
タンパク質 | 41.4 g |
ビタミンA相当量 | 2300 μg |
βカロテン | 25000 μg |
ビタミンB1 | 0.69 mg |
ビタミンB2 | 2.33 mg |
ビタミンB3 | 11.7 mg |
ビタミンB5 | 1.18 mg |
ビタミンB6 | 0.59 mg |
葉酸 | 1900 μg |
ビタミンB12 | 57.6 μg |
ビタミンC | 210 mg |
ビタミンE | 4.6 mg |
ビタミンK | 390 μg |
ナトリウム | 530 mg |
カリウム | 2400 mg |
カルシウム | 280 mg |
マグネシウム | 300 mg |
リン | 700 mg |
鉄分 | 11.4 mg |
亜鉛 | 3.6 mg |
銅 | 0.55 mg |
■βカロテンが肌を健康に保つ
海苔にはβカロテンが非常に多く含まれています。βカロテンは必要に応じてビタミンAに変わり、髪や爪、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあるほか、βカロテンとしても強い抗酸化作用があり、有害な活性酸素の働きを抑えると言われています。
このβカロテンの働きを助ける食べ合わせとしておすすめなのが、キャベツやジャガイモ、サツマイモなどビタミンCを多く含む食材です。
ビタミンCにも強い抗酸化作用があるほか、コラーゲンの生成やシミの原因となるメラニン色素を抑える働きがあるため、βカロテンの働きと併せて美肌効果が期待できます。
■ビタミンCが鉄分の吸収を助ける
海苔には鉄分が豊富に含まれていますが、ビタミンCには鉄分の吸収を助ける働きもあるため、効率よく鉄分を摂取することができます。鉄分は赤血球をつくる上で欠かせないものであり、鉄分をしっかり摂取することで貧血の予防効果が期待できます。
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
---|---|
大根 たけのこ タマネギ きゅうり |
高血圧予防、コレステロール低下 |
ごぼう もやし ぜんまい エノキ茸 |
便秘の予防と改善 |
キャベツ 白菜 ニンジン じゃがいも |
ガン、動脈硬化の予防 |
カキ アサリ シジミ ほうれん草 |
貧血予防、体力増強 |
海苔と言えば、海苔巻きや手巻き寿司、おにぎりなど、日本の食文化には欠かせない食材の1つですが、馴染みのある板海苔ができたのは江戸時代と言われています。
海苔にはβカロテンが非常に多く含まれているほか、意外にもタンパク質も豊富に含まれており、その含有量は大豆に匹敵します。
βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあるほか、βカロテンとしても強い抗酸化作用があり、体内にとって有害な活性酸素の働きを抑える働きがあります。
このβカロテンが豊富な海苔と一緒に食べ合わせるとよいのが、ビタミンCを多く含む食材です。ビタミンCは皮膚にハリを与えるコラーゲンの生成に関与しているほか、シミの原因となるメラニン色素の発生を抑えるなど、美容のビタミンとして知られています。
ビタミンCはキャベツやジャガイモ、サツマイモなどに多く含まれていますので、海苔と上手に食べ合わせてみましょう。
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|あまのり/焼きのり |