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良い?悪い?エノキ茸の食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

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 エノキ茸にはビタミンB1ビタミンB2、ナイアシンのほか、食物繊維が豊富に含まれています。細い繊維が密集しているため、シャキシャキとした食感が良く、料理の味が絡みやすいのが特徴です。エノキ茸の食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


エノキ茸はどんな食材?

えのきはどんな食材か

 エノキ茸は「エノキ」と略して呼ばれがちですが、エノキは木の名前であり、エノキやコナラ、クワなどの広葉樹の枯れ木などに寄生するのがエノキ茸です。

 エノキ茸と聞くと白くて密集したひょろひょろのキノコを想像しますが、天然のエノキ茸は茶色っぽく、傘もしっかりと開いた、いかにもキノコという形をしています。

 キノコは光で光合成を行わないものの、胞子を飛ばすために光のある所を求める性質があります。日本で流通しているエノキ茸は日の光が当たらない場所で菌床栽培されているため、光を求めてモヤシのようなひょろひょろのキノコになるのです。

エノキ茸に含まれている栄養素

えのきに含まれている栄養素

■エノキ茸はビタミンB群が豊富
 エノキ茸にはビタミンB1ビタミンB2、ナイアシン、カリウムが多く含まれています。ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関与し、疲労回復や脳の活性化に効果があると言われています。

 ビタミンB2は細胞の再生やエネルギー代謝に関与しているほか、皮膚や粘膜を健康に保ちます。また、抗酸化作用を持っており、ガンや老化の原因になる活性酸素を抑える働きも期待できます。

 活性酸素は体内の脂質を過酸化脂質に変え、血管に付着することで動脈硬化や脳梗塞などの原因になると考えられています。そのため、活性酸素の発生を抑えることによって生活習慣病の予防効果が期待できます。

 ナイアシンは糖質や脂質、タンパク質の代謝に不可欠であり、血行をよくして、冷え性の改善に効果があると言われています。

■腸内をキレイにする食物繊維が豊富
 エノキ茸には食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維は腸内で善玉菌の栄養となり善玉菌を増やすほか、コレステロールや腸内の有害物質を吸着して体外に排泄する効果があります。

 また、エノキ茸のエキスにはガンの予防効果や強心作用、コレステロール低下などの効果があると言われています。

栄養解説
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皮膚や粘膜の健康に欠かせない!〜ビタミンB2の働きと効果をポイント解説〜
血圧や水分の調節に欠かせない!〜カリウムの働きと効果をポイント解説〜



エノキ茸100gあたりの栄養価

えのき100gあたりの栄養価

 以下の表では、エノキ茸100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 22kcal
炭水化物 7.6 g
食物繊維 3.9 g
脂肪 0.2 g
タンパク質 2.7 g
ビタミンB1 0.24 mg
ビタミンB2 0.17 mg
ビタミンB3 6.8 mg
ビタミンB5 1.40 mg
ビタミンB6 0.12 mg
葉酸 75 μg
ビタミンD 0.9 μg
ナトリウム 2 mg
カリウム 340 mg
マグネシウム 15 mg
リン 110 mg
鉄分 1.1 mg
亜鉛 0.6 mg
0.10 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高めるえのきの食べ合わせ

■ビタミンB1が疲労を回復
 エノキ茸にはビタミンB1ビタミンB2、ナイアシンなどのビタミンB群が多く含まれています。ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関与しており、不足すると疲労物質である乳酸がたまってしまいます。

 このビタミンB群が多いエノキ茸と食べ合わせのよい食材として、ビタミンB1が非常に豊富に含まれている豚肉やうなぎが挙げられます。

 ビタミンB1が増強されることで疲労回復や倦怠感の改善につながるほか、豚肉やうなぎにはないエノキ茸の食物繊維によって、バランスのよい食事となります。

■βカロテンの多い食材がおすすめ
 エノキ茸はビタミンB群が豊富である一方で、βカロテンビタミンAが不足しています。この不足を補う食べ合わせとして、βカロテンを豊富に含んでいるニンジンやほうれん草がおすすめです。

 βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の健康を保つ働きがあると言われています。ビタミンB2もまた皮膚や粘膜の健康維持に欠かせないビタミンであり、エノキのビタミンB2とニンジンやほうれん草のβカロテンによって美肌効果が期待できます。

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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
オクラ
ごぼう
イワシ
タコ
高血圧予防
コレステロール低下
コンニャク
きゅうり
うり
アサリ
コレステロール低下
肥満防止
アスパラガス
ニンジン
椎茸
ほうれん草
ガンの予防
美肌効果
うなぎ
ゴマ
豚肉
疲労回復

食べ合わせと栄養のまとめ

えのきの食べ合わせと栄養

 エノキは白くて細いキノコが密集した形をしていますが、これは日の光が当たらないところで栽培したからです。本来のエノキは茶色っぽく、傘もしっかり開いた形をしています。

 エノキはシャキシャキとした食感が特徴的ですが、非常に食物繊維が多く含まれています。食物繊維は腸内で善玉菌を増やすのに役立つため、腸内環境を整える効果があります。

 エノキには糖質のエネルギー代謝に欠かせないビタミンB1が多く含まれており、ビタミンB1が豊富に含まれている豚肉やうなぎと一緒に食べ合わせることで、ビタミンB1の働きを増強する効果が期待できます。

 また、エノキにはビタミンB2も含まれている一方でβカロテンが不足していますので、βカロテンを多く含むニンジンやほうれん草を一緒に食べ合わせるのもおすすめです。

 βカロテンは皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあるため、同じく皮膚の健康維持に欠かせないビタミンB2と組み合わせることで、美肌効果が期待できます。

 エノキは食べ合わせによって栄養効果をより引き出すことができますので、上手に食材を組み合わせてみましょう。

参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|えのきたけ/生

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