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ねぎは日本人に好まれている食材であり、薬味のほか、鍋の具材としても重宝されています。日本での生産量は、世界的に見ても非常に多いと言えます。ねぎにはカリウムやカルシウム、ビタミンC、βカロテンが豊富に含まれており、青い部分にこれらの栄養素が多く含まれています。ねぎの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
ねぎは中国やシベリアあたりが原産とされており、日本でも古くから栽培されてきた、日本人に馴染みのある野菜の一つです。
ねぎを大きく分けると、白い部分が多い根深ねぎと、緑の部分が多い葉ねぎに分類されます。根深ねぎは白い部分を食すため、土寄せして白い部分を伸ばしていくように育てていきます。
ねぎはその香りと辛みから、薬味としてそばやうどん、ラーメン、冷や奴に重宝されています。また、ねぎの香りを利かして香ばしく炒めたり、加熱すると甘みが出るため鍋料理でもよく用いられています。
■青い部分により多くの栄養が含まれている
ねぎにはカリウムやカルシウム、ビタミンC、βカロテンが多く含まれています。ビタミンCやβカロテンには抗酸化作用があり、体内の細胞を傷つける活性酸素の発生を抑えると言われています。
ねぎは青い部分と白い部分がありますが、青い部分にこれらの栄養素がより多く含まれています。
■アリシンがビタミンB1の吸収を助ける
ネギ特有の香りは硫化アリルの一種アリシンによるものです。アリシンは糖質のエネルギー代謝や精神安定に関わるビタミンB1の吸収と効果の持続に関わっており、疲労回復、スタミナアップに効果があります。
また、低温の油で加熱する事でアホエンという物質が生成します。アホエンには強い抗酸化力があるほか血栓予防効果もあり、血液をサラサラにして心筋梗塞などの血栓症を予防する働きがあると言われています。
以下の表では、ねぎ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 34 kcal |
炭水化物 | 8.3 g |
食物繊維 | 2.5 g |
脂肪 | 0.1 g |
タンパク質 | 1.4 g |
ビタミンA相当量 | 7 μg |
βカロテン | 82 μg |
ビタミンB1 | 0.05 mg |
ビタミンB2 | 0.04 mg |
ビタミンB3 | 0.4 mg |
ビタミンB5 | 0.17 mg |
ビタミンB6 | 0.12 mg |
葉酸 | 72 μg |
ビタミンC | 14 mg |
ビタミンE | 0.2 mg |
ビタミンK | 8 μg |
カリウム | 200 mg |
カルシウム | 36 mg |
マグネシウム | 13 mg |
リン | 27 mg |
鉄分 | 0.3 mg |
亜鉛 | 0.3 mg |
銅 | 0.04 mg |
ねぎの独特の強い香りは、ねぎに含まれている硫化アリルの一種、アリシンによるものです。アリシンにはビタミンB1の吸収を助ける働きがあるため、ねぎと一緒にビタミンB1を豊富に含む食材を食べ合わせると効果的です。
ビタミンB1を豊富に含む食材として、豚肉やレバー、うなぎが挙げられます。豚肉は部位によってビタミンB1の含有量が異なり、ヒレ肉が一番多く、ばら肉は少なめの傾向がありますが、他の食材と比べると、豚肉は全体的にビタミンB1の含有量が高い食材と言えます。
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関与しており、不足すると疲労物質である乳酸がたまってしまいます。そのため、ビタミンB1をしっかり摂ることで、疲労回復効果が期待できます。
なお、アリシンは熱に弱いため、調理の際は加熱しすぎないことが大切です。また、ビタミンB1は水溶性ビタミンであり、必要量以上は体外に排泄されますので、過剰摂取の心配はありません。
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
---|---|
豚肉 レバー シソ うなぎ |
老化防止、 疲労回復 |
きくらげ 昆布 イワシ |
高血圧、動脈硬化の予防 |
タマネギ ニンニク きゅうり |
血液サラサラ効果 |
さつまいも レンコン |
便秘の予防と解消 |
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|根深ねぎ/葉/軟白/生 |