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良い?悪い?栗の食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

栗の食べ合わせ

更新:


 栗は日本の秋の味覚として定番の食材で、茶わん蒸しや栗ご飯のほか、製菓でもよく用いられています。栗はタンパク質や脂質が豊富で、ビタミンB1ビタミンCカリウムも豊富に含まれています。栗の食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


栗はどんな食材?

栗はどんな食材か

 栗は日本で広く分布しており、縄文時代にはすでに食べられていたとされています。食用の栗は主に栽培されていますが、アジアだけでなく、ヨーロッパでも栽培されています。

 特徴的なトゲのあるイガに覆われているため、木に生った状態の実を採るのではなく、落ちた実を収穫します。

 栗にはほんのりとした甘みがあり、栗おこわや茶わん蒸し、栗きんとんの具材として、石焼きの甘栗として食されるほか、マロンクリームやマロングラッセなど洋菓子の材料としても重宝されています。

栗に含まれている栄養素

栗に含まれている栄養素

■ビタミンCとカリウムが豊富
 栗はタンパク質や脂質が豊富で、ビタミンB1ビタミンCカリウムも豊富に含まれています。カリウムは体内の不要なナトリウムを排泄し、血圧を下げる働きがあります。また体内の水分量を調節し、むくみの解消にも効果があります。

 栗に含まれるビタミンCはデンプンに包まれているため、加熱しても損なわれる心配がありません。ビタミンCは体内の免疫力を高め感染症に対する抵抗力をつけるほか、コラーゲンの生成にも関わっています。コラーゲンは肌にハリを与える役割を果たしており、美肌効果が期待できます。

■ビタミンB1が疲労を回復する
 ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関与しているほか、疲労物質である乳酸をためにくくするため、疲労回復や夏バテ解消に効果があります。また、精神安定作用もあると言われています。

 栗の渋皮にはタンニンというポリフェノールが含まれています。タンニンには抗酸化作用があり、老化やガンの原因になる活性酸素を抑え、生活習慣病などの予防効果が期待できます。

栄養解説
元気な生活に欠かせないビタミンB1!〜疲労回復効果と摂り方を徹底解説〜
やはりビタミンCはすごい!〜免疫の働きも助ける最強の美容ビタミンを解説〜
血圧や水分の調節に欠かせない!〜カリウムの働きと効果をポイント解説〜



栗100gあたりの栄養価

栗100gあたりの栄養価

 以下の表では、日本栗100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 164kcal
炭水化物 36.9 g
食物繊維 4.2 g
脂肪 0.5 g
タンパク質 2.8 g
ビタミンA相当量 3 μg
βカロテン 24 μg
ビタミンB1 0.21 mg
ビタミンB2 0.07 mg
ビタミンB3 1.0 mg
ビタミンB5 1.04 mg
ビタミンB6 0.27 mg
葉酸 74 μg
ビタミンC 33 mg
ビタミンK 1 μg
ナトリウム 1 mg
カリウム 420 mg
カルシウム 23 mg
マグネシウム 40 mg
リン 70 mg
鉄分 0.8 mg
亜鉛 0.5 mg
0.32 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高める栗の食べ合わせ

■ビタミンCがジャガイモよりも多い
 栗はデンプン質やタンパク質が豊富に含まれていますが、実はビタミンCが豊富に含まれており、ビタミンCが豊富と言われているジャガイモやサツマイモよりも多く含まれているとされています。

 また、豚肉やうなぎ、レバーに豊富に含まれているビタミンB1も栗に多く含まれています。ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関わる補酵素であり、不足するとエネルギー代謝が滞るだけでなく、疲労物質である乳酸が蓄積しやすくなります。

 このビタミンB1を多く含む栗と一緒に食べ合わせるとよい食材として、タウリンを多く含むイカやタコ、エビが挙げられます。

■タウリン+ビタミンB1で疲労回復
 タウリンはアミノ酸の一種であり、体内のあらゆる臓器に存在しています。その量は体重の約0.1%に相当すると言われており、タウリンが体内にとって重要な物質であることがわかります。

 タウリンは体内の状態を一定に保つ働きがあり、働き過ぎている機能を抑えたり、低下している機能を改善する働きがあると言われています。このような働きはホメオスタシス(恒常性維持)と呼ばれており、栄養ドリンクにもタウリンがよく用いられています。

 このため、ビタミンB1を多く含む栗と一緒にタウリンを多く含むイカやタコを食べ合わせることで、疲労回復効果が期待できます。

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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
アスパラガス
ほうれん草
マイタケ
ガン予防
いんげん
たけのこ
レタス
老化防止、
健脳効果
やまいも
納豆
アロエ
胃腸を丈夫にする
サツマイモ
タコ
イカ
エビ
疲労回復、
スタミナアップ


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|日本ぐり/生

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