更新:
ビタミンB1がどのような栄養素かご存知ですか?ビタミンB1の特徴や役割、多く含む食材を知ることで、栄養効果を最大限に活かすことも可能となります。ビタミンB1がどのような栄養素なのか、その効果と上手な食べ合わせについて知っておきましょう。
ビタミンB1は水に溶ける水溶性ビタミンに分類されており、別名チアミンとも呼ばれています。
水溶性ビタミンであるために過剰摂取の心配はほとんどありませんが、食品から摂っても体内に蓄えることができず、使われなかった分は排泄されてしまうため、毎日の食事からしっかり摂る必要があります。
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関与していると言われています。少し難しく言うと、私たちの体内では生きていくためのエネルギーをTCAサイクル(クエン酸回路)で産生していますが、ビタミンB1は補酵素としてこのサイクルがよく回るような手助けをしています。
このサイクルがよく回るとエネルギーがしっかり産生されるほか、疲労物質である乳酸が体内にたまりにくくなるため、疲労回復効果が期待できます。
せっかく摂取した糖質から十分なエネルギーが産生できなくなるほか、疲労物質である乳酸がたまりやすくなるため、疲労やだるさを感じるようになります。
また、エネルギー不足によって脳や神経にも障害が起こるようになり、動悸や息切れ、しびれなどの症状が現れることもあります。
ビタミンB1はエネルギー代謝に関与しているため、必要エネルギー量に比例して必要量も多くなります。
厚生労働省が作成した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では推定平均必要量と推奨量が設定されており、推定平均必要量は半数の人が必要量を満たすと推定される量、推奨量はこれに1.2を乗じた値となっています。
日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、一日当たりの推奨量は18〜49歳の男性で1.4mg、18〜74歳の女性で1.1mgとされています。必要量は成長によって多くなりますが、仕事や運動で多くのエネルギーを必要としている人は、不足しないようにしっかり摂取することが大切です。
性 別 | 男 性 | |
年齢等 | 推定平均 必要量 |
推奨量 |
0〜5(月) | ― | ― |
6〜11(月) | ― | ― |
1〜2(歳) | 0.4 | 0.5 |
3〜5(歳) | 0.6 | 0.7 |
6〜7(歳) | 0.7 | 0.8 |
8〜9(歳) | 0.8 | 1.0 |
10〜11(歳) | 1.0 | 1.2 |
12〜14(歳) | 1.2 | 1.4 |
15〜17(歳) | 1.3 | 1.5 |
18〜29(歳) | 1.2 | 1.4 |
30〜49(歳) | 1.2 | 1.4 |
50〜64(歳) | 1.1 | 1.3 |
65〜74(歳) | 1.1 | 1.3 |
75 以上(歳) | 1.0 | 1.2 |
性 別 | 女 性 | |
年齢等 | 推定平均 必要量 |
推奨量 |
0〜5(月) | ― | ― |
6〜11(月) | ― | ― |
1〜2(歳) | 0.4 | 0.5 |
3〜5(歳) | 0.6 | 0.7 |
6〜7(歳) | 0.7 | 0.8 |
8〜9(歳) | 0.8 | 0.9 |
10〜11(歳) | 0.9 | 1.1 |
12〜14(歳) | 1.1 | 1.3 |
15〜17(歳) | 1.0 | 1.2 |
18〜29(歳) | 0.9 | 1.1 |
30〜49(歳) | 0.9 | 1.1 |
50〜64(歳) | 0.9 | 1.1 |
65〜74(歳) | 0.9 | 1.1 |
75 以上(歳) | 0.8 | 0.9 |
妊婦 | +0.2 | +0.2 |
授乳婦 | +0.2 | +0.2 |
ビタミンB1は肉や魚、大豆や穀物に含まれていますが、なかでも豚肉の含有量がトップクラスです。
また、穀物の胚芽部分に多く含まれていますので、穀物を食べる際は精製されていないもの、例えば精米ではなく玄米にすることでビタミンB1を摂ることができます。
ビタミンB1は水溶性ビタミンであるため、体に蓄えることができず、毎日の食事からきちんと摂る必要があります。そんなビタミンB1の吸収を助けるのが、ネギやニラ、ニンニク、タマネギに含まれている硫化アリルの一種、アリシンです。
ネギやニラの特有の香りはこのアリシンによるものです。このアリシンがビタミンB1と結合することでビタミンB1の吸収率がアップすると言われています。効率よくビタミンB1を摂りたい方や、疲労回復効果を期待したい方は上手に食べ合わせてみましょう。
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 |