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知らないと損している!?
食べ合わせのよくないものとは





薬剤師のイメージ <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※

目次


食べ合わせのよくないものとは

 昔から「食べ合わせの良くないもの」は色々言われています。例えば「ウナギと梅干し」「スイカと天ぷら」などです。いずれも症状としてはお腹を下したり、消化不良を起こすと言われていますが、栄養学的な根拠には乏しいものが多々あります。

 私たちは「貧血を改善したい」とか「骨を丈夫にしたい」と考えた時に、鉄分やカルシウムの多く含まれている食材を探して食べようとします。それは間違いではないのですが、食べ物の組み合わせによってはせっかくの栄養素を減らしてしまったり、悪影響を及ぼしてしまうことだってあります。

 せっかく食べたのに、食べた側から栄養が減ってしまうなんて誰も想像しませんが、知らなければ意外と起こりがちな出来事なのです。

 もちろん、食べ合わせ次第で栄養効果を最大限に引き出す食べ方もありますが、ここではせっかく摂った食材の栄養を相殺したり、相乗効果で悪影響を及ぼす「よくない食べ合わせ」について紹介します。


よくない食べ合わせ@
ビタミンCを減らしてしまう

 きゅうり + ビタミンCを多く含む食材

 ビタミンCは健康的なお肌の維持や免疫力を助けるなど、私たちの身体には欠かせない栄養素です。ビタミンCの多い食材といえば、果物や野菜を連想するかと思います。ビタミンを摂るために食べる定番が「サラダ」ですが、その中にはかなりの頻度できゅうりが入っています。

 だからこそ、きゅうりにビタミンCを減らす働きがあるという事実にはみんなが驚きます。きゅうりにはアスコルビナーゼという「ビタミンCを破壊する」酵素が含まれており、サラダなどで一緒に摂った野菜のビタミンCを破壊してしまうのです。

 このアスコルビナーゼという酵素はきゅうり以外にもカボチャやニンジンに含まれています。

 この酵素は熱に弱く48℃以上の熱で壊れてしまうため、加熱調理すれば問題ありません。カボチャを生で食べることはないので、カボチャについては心配ありません。またこの酵素は酢にも弱いので、ビタミンCを多く含む野菜と一緒にきゅうりを食べる場合は、きゅうりを酢のものにするとよいでしょう。

 ただしきゅうりをサラダに使ってはダメだというわけではありません。ビタミンC以外がメインの野菜、例えばビタミンB1やビタミンB2が豊富なセロリなどと組み合わせると、栄養を無駄にする事を防ぐ事ができます。

 なお、ビタミンCは熱に弱く、水に溶けやすいという性質があるため、煮込み料理などをするとせっかくのビタミンCが壊れてしまいます。また、空気に触れるだけでも酸化して壊れてしまいますので、手早く調理するなど工夫が必要です。

よくない食べ合わせA
カルシウムの吸収を妨げる食べ合わせ

 枝豆・玄米・ほうれん草 + カルシウムを多く含む食材

 カルシウムは何に必要かと聞かれると、真っ先に骨を連想します。たしかに私たちの体の中では、カルシウムの99%が骨や歯として存在していますが、それ以外にも神経や筋肉など体の生理機能のバランス維持に欠かせないものとなっています。

 そのため、カルシウムが不足すると骨がもろくなる骨粗しょう症のほか、イライラしやすくなるなどの精神症状や筋肉のけいれんなどが起きやすくなります。

 カルシウムは乳製品や小魚、大豆などに多く含まれていますが、これらと一緒に食べることでせっかくのカルシウムの吸収を邪魔する食材があります。その代表的なものが、枝豆や玄米、ほうれん草です。

 枝豆と玄米にはフィチン酸が、ほうれん草にはシュウ酸が含まれており、これらはいずれもカルシウムの吸収を邪魔してしまいます。例えば枝豆とチーズ、いかにもビールに合いそうなおつまみの組み合わせですが、この組み合わせだとチーズにたくさん含まれているカルシウムが台無しになってしまいます。

 玄米食も食物繊維が多くて健康的とされていますが、知らず知らずのうちにおかずに含まれているカルシウムの吸収を邪魔していることになりますので注意が必要です。

 骨粗しょう症の予防や改善などカルシウムを必要とする場合は、これらの組み合わせに気をつけて献立を考えるようにしましょう。


よくない食べ合わせB
鉄分の吸収を妨げる

 ゆで卵 + 鉄分を多く含む食材

 日本には鉄欠乏性貧血の女性がたくさんいるため、日々の食生活で鉄分を意識して摂取することはとても大切であると言えます。でも、がむしゃらに鉄分が多い食材を食べようとするのは効果的ではありません。

 鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄は動物性食品に、非ヘム鉄は植物性食品に含まれています。ヘム鉄は非ヘム鉄の数倍も吸収がよいため、鉄分を補給するためにはヘム鉄を多く含む食品を摂るのが効果的です。

 しかしながら、日本人が摂取している鉄分は非ヘム鉄が多いため、いかに効率よく非ヘム鉄を吸収するかがポイントとなります。この非ヘム鉄の吸収を助けるのがビタミンCとタンパク質です。

 逆に非ヘム鉄の吸収を邪魔する食品も存在します。その代表格がゆで卵です。生卵には鉄分の吸収を邪魔する働きはないのですが、ゆで卵にすると卵に含まれている含硫アミノ酸(硫黄分を含んだアミノ酸)が硫化水素(温泉のような匂いのもの)になり、これが非ヘム鉄と結合することで鉄分の吸収が邪魔されてしまいます。

 例えば非ヘム鉄の多いほうれん草は卵との相性がよい食材です。ほうれん草と卵を食べ合わせる場合はゆで卵にせず、ほうれん草のオムレツなどで食べると鉄分の吸収が邪魔されません。

よくない食べ合わせC
ビタミンB1を減らしてしまう

 わらび・魚介類 + ビタミンB1を多く含む食材

 ビタミンB1はチアミンとも呼ばれ、体内で糖質を分解してエネルギーに変える際に必要な栄養素です。そのため、ビタミンB1が不足すると体内のエネルギー代謝が悪くなり、疲労感や倦怠感のほか、神経に異常をきたして手足のしびれが起きたりします。

 また、脳もエネルギー不足に陥ることで思考力が低下したり、イライラするようになります。

 自然界にはこのビタミンB1を分解してしまう酵素があり、チアミナーゼ(アノイリナーゼ)と呼ばれています。このチアミナーゼはエビやカニなどの甲殻類や、アサリ、ハマグリ、シジミなどの貝類、コイなどの淡水魚、山菜のわらび、ぜんまいなどに含まれています。

 チアミナーゼは熱に弱いため、加熱調理することでチアミナーゼの働きを抑えることができますが、生食すると体内のビタミンB1が分解されてしまい、ビタミンB1不足によるさまざまな症状が現れるようになります。

 古代日本では貝類を生食していたため、ビタミンB1の不足が原因となる脚気という病気が流行していました。現代でも魚介類の生食やアク抜き不足の山菜を食べるとビタミンB1が分解される恐れがあるので注意が必要です。

よくない食べ合わせD
ビタミンAを過剰摂取してしまう

 レバーなどビタミンAを多く含む食材 + バター

 ビタミンの摂り過ぎと聞いてピンとこない方もいるのではないでしょうか。ビタミンは摂れば摂るほど健康や美容によいイメージがありますが、なんでも摂り過ぎはよくありません。

 ビタミンには水溶性と脂溶性があり、ビタミンB1、B2、B6、B12、Cなどは水溶性ビタミン、ビタミンA、D、E、Kは脂溶性ビタミンに分類されます。水溶性ビタミンは摂り過ぎたとしても尿と一緒に体から出ていくため過剰摂取は問題になりません。

 一方、脂溶性ビタミンは過剰摂取すると体内に蓄積し悪い影響を及ぼしてしまうので注意が必要です。もちろん脂溶性ビタミンは体に必要なものばかりですので、過剰摂取を心配する前にまずは必要量を摂ることが大切です。

 ビタミンAは粘膜や皮膚を健康に保ったり、体を守る免疫力の維持に必要なビタミンです。脂溶性ビタミンはその名の通り脂に溶ける性質であるため、炒め物などで油を使うと食品中に含まれるビタミンAを上手に摂ることができます。

 ただし、レバーなどビタミンAを大量に含んでいる食材は要注意です。一日に必要なビタミンAは成人男性で600μg、成人女性で540μgとされていますが、鶏レバー100gには14000μg、豚レバー100gには13000μgも含まれており、一日必要量の20倍以上となります。

 そのレバーをビタミンAを多く含むバターで調理してしまうと、脂の吸収効果も加わってさらなる過剰摂取を招いてしまいますので注意が必要です。


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