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良い?悪い?キュウリの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

更新:


 きゅうりは全体の90%以上が水分であり、とてもみずみずしい野菜です。他の野菜のような高い栄養価はありませんが、カリウムカルシウム、ビタミンKなどが含まれているほか、ビタミンCを減らしてしまう酵素を含んでいます。きゅうりの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


キュウリはどんな食材?

きゅうりはどんな食材か

 キュウリは北インドやヒマラヤ山麓が原産とされており、日本では平安時代から栽培が始まったとされています。夏野菜の定番であり、水分が90%以上を占めていることから、みずみずしい歯ざわりが特徴です。

 キュウリは生のままサラダやかっぱ巻きとして食べるほか、漬物の材料として非常に重宝されています。日本ではあまり加熱調理することがありませんが、海外では炒め物や煮込み料理の具材として用いられています。

 キュウリの表面についているボツボツはブルームと呼ばれており、水分の蒸発を抑える役割があります。そのため、保存する際には表面のボツボツを洗い落とさず、食べる直前に洗うようにしましょう。

キュウリに含まれている栄養素

きゅうりに含まれている栄養素

■キュウリの95%以上が水分
 きゅうりは水分が多く含まれており、他の野菜のような高い栄養価はありませんが、βカロテンのほか、カリウムカルシウム、ビタミンKなどが含まれています。

 カリウムは体内の余分なナトリウムを排泄し血圧を下げる効果が期待できるほか、利尿作用があるので、むくみの解消効果も期待できます。ビタミンKには骨からカルシウムが溶け出すのを抑える働きがあります。

 きゅうりにはピラジン、ルチンも含まれています。ピラジンには血栓の予防、ルチンには毛細血管を丈夫にし血行をよくする働きがあり、高血圧や脳梗塞の予防効果が期待できます。

■ビタミンCを減らす酵素を含んでいる
 きゅうりにはビタミンCを減らしてしまうアスコルビナーゼと呼ばれる酵素が含まれていますので、他の野菜と一緒に食べると、せっかくのビタミンCが失われてしまいます。

 ビタミンCを含む食材と一緒に食べる時は、きゅうりを過熱するか、酢を加えて酵素活性を抑えるとビタミンCの損失を防ぐ事ができます。


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キュウリ100gあたりの栄養価

きゅうり100gあたりの栄養価

 以下の表では、きゅうり100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 14kcal
炭水化物 3.0 g
食物繊維 1.1 g
脂肪 0.1 g
飽和脂肪酸 0.01 g
多価不飽和 0.01 g
タンパク質 1.0 g
ビタミンA相当量 28 μg
βカロテン 330 μg
ビタミンB1 0.03 mg
ビタミンB2 0.03 mg
ビタミンB3 0.2 mg
ビタミンB5 0.33 mg
ビタミンB6 0.05 mg
葉酸 25 μg
ビタミンC 14 mg
ビタミンE 0.3 mg
ビタミンK 34 μg
カリウム 200 mg
カルシウム 26 mg
マグネシウム 15 mg
リン 36 mg
鉄分 0.3 mg
亜鉛 0.2 mg
0.11 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高めるきゅうりの食べ合わせ

 キュウリはそのほとんどが水分であるため、目立った栄養素はありませんが、高血圧の原因となるナトリウムの排出効果が期待できるカリウムを豊富に含んでいます。

 キュウリと食べ合わせるとよい食材として、ワカメが挙げられます。ワカメにはナトリウムの排出効果がある水溶性食物繊維のアルギン酸が含まれており、キュウリの持つカリウムとの相乗効果で、むくみの解消や血圧の安定が期待できます。

 また、同じく血圧の安定効果が期待できる栄養素としてタウリンがあります。タウリンはアミノ酸の一種であり、交感神経を抑制して血圧を正常に保つ働きがあると言われています。

 タウリンはイカやタコに豊富に含まれていますので、例えばイカとキュウリをスープや炒め物として一緒に食べると、キュウリのビタミンC破壊酵素の働きも抑えられ、一石二鳥の食べ合わせとなります。


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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
ワカメ
イカ
タコ
血圧の安定
レタス
れんこん
寒天
熱を下げる、
抗炎症作用
うり
スイカ
とうがらし
緑茶
利尿作用、
腎臓病の予防
昆布

グレープフルーツ
きくらげ
血圧を下げる、
代謝促進、
肥満予防

栄養満点!
キュウリの食べ合わせレシピ

きゅうりの食べ合わせレシピ

キュウリとタコの旨和え
栄養 キュウリに豊富に含まれているカリウムと、タコのタウリンの働きで、血圧を正常に保つ働きが期待できます。トマトを入れると彩りがよくなるほか、栄養バランスがよくなります。
材料 ゆでだこ100g
きゅうり1本
トマト1個
塩コショウ少々
醤油大さじ1/2
酢大さじ1
砂糖小さじ1
ごま油大さじ1
鶏ガラスープのもと小さじ1
作り方
  1. たこは2cm角くらいの食べやすい大きさに切る。

  2. キュウリは両端を切り落としてから、麺棒で叩いて一口大にする。切ってもよいですが、叩いた方が味が絡みやすくなります。

  3. トマトをきゅうりと同じくらいの食べやすい大きさに切る。

  4. ボールにたこ、きゅうり、トマトを入れ、醤油、酢、砂糖、ごま油、鶏がらスープのもとを入れてよく混ぜ合わせる。

  5. 塩コショウで味を調え、器に盛り付けたら出来上がりです。

キュウリとワカメの酢の物
栄養 キュウリのカリウムと、ワカメに豊富に含まれている水溶性食物繊維のアルギン酸で、ナトリウムの排泄効果アップが期待できる定番の酢の物です。
材料 キュウリ1本
乾燥ワカメ3g
酢大さじ2
砂糖大さじ2
塩適量
白ごま適量
作り方
  1. キュウリは薄くスライスし、塩もみをしてから水気を切る。

  2. 乾燥ワカメは水で戻し、膨らんだら水気を切る。塩漬けワカメや生ワカメなどを使う場合は、食べやすい大きさに切る。

  3. ボウルにキュウリとワカメを入れ、酢、砂糖を入れてよく和える。

  4. 塩で味を調えてから器に盛り付け、お好みで白ごまを振りかけたら出来上がりです。


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|きゅうり/果実/生

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