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カリウムがどのような栄養素かご存知ですか?カリウムの特徴や役割、多く含む食材を知ることで、栄養効果を最大限に活かすことも可能となります。カリウムがどのような栄養素なのか、その効果と上手な食べ合わせについて知っておきましょう。
カリウムは私たちの体内でナトリウムとともに神経伝達を担っており、非常に重要な役割を果たしているミネラルであると言えます。細胞内に多く存在し、ナトリウムとともに細胞の浸透圧を調節しています。
カリウムは肉や野菜、果物など多くの食材に含まれているので、通常の食生活で不足することはなく、余分なカリウムは尿中に排泄されます。
カリウムはナトリウムとバランスを取りながら、細胞の浸透圧や血圧を調節しています。また、カリウムはナトリウムとともに神経伝達や筋肉機能の調整など、私たちが生きていくうえで欠かせない生理機能を担っています。
カリウムとナトリウムのどちらが多くても悪影響があるため、体内では常に一定のバランスを保っています。ナトリウムが多いことがよく問題になりますが、カリウムには腎臓でナトリウムが再吸収されるのを防ぎ、体外への排泄を促す働きがあります。
カリウムは肉や野菜、果物など、非常に多くの食材に含まれていますので、特段意識しなくても、通常の食事をしていれば不足することはありません。
ただし、ごくまれに激しい嘔吐や下痢によって体内のミネラル分が体外に排泄されてしまうと欠乏することもあります。カリウムが欠乏すると体内のミネラルバランスが崩れ、脱力感や筋力低下などの症状が現れると言われています。
厚生労働省が作成した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、健康を維持する目安量と、高血圧を予防するための目標量が規定されており、18歳以上の目安量は男性で2500mg、女性で2000mg、18歳以上の目標量は男性で3000mg以上、女性で2600mg以上となっています。
カリウムは通常の食事で過剰摂取になるリスクが低いと考えられており、耐容上限量の設定はされていません。ただし、腎機能が低下している人や、サプリメントを使用している人は注意しましょう。
性 別 | 男 性 | |
年齢等 | 目安量 | 目標量 |
0〜5(月) | 400 | ― |
6〜11(月) | 700 | ― |
1〜2(歳) | 900 | ― |
3〜5(歳) | 1,000 | 1,400 以上 |
6〜7(歳) | 1,300 | 1,800 以上 |
8〜9(歳) | 1,500 | 2,000 以上 |
10〜11(歳) | 1,800 | 2,200 以上 |
12〜14(歳) | 2,300 | 2,400 以上 |
15〜17(歳) | 2,700 | 3,000 以上 |
18〜29(歳) | 2,500 | 3,000 以上 |
30〜49(歳) | 2,500 | 3,000 以上 |
50〜64(歳) | 2,500 | 3,000 以上 |
65〜74(歳) | 2,500 | 3,000 以上 |
75 以上(歳) | 2,500 | 3,000 以上 |
性 別 | 女 性 | |
年齢等 | 目安量 | 目標量 |
0〜5(月) | 400 | ― |
6〜11(月) | 700 | ― |
1〜2(歳) | 900 | ― |
3〜5(歳) | 1,000 | 1,400 以上 |
6〜7(歳) | 1,200 | 1,800 以上 |
8〜9(歳) | 1,500 | 2,000 以上 |
10〜11(歳) | 1,800 | 2,000 以上 |
12〜14(歳) | 1,900 | 2,400 以上 |
15〜17(歳) | 2,000 | 2,600 以上 |
18〜29(歳) | 2,000 | 2,600 以上 |
30〜49(歳) | 2,000 | 2,600 以上 |
50〜64(歳) | 2,000 | 2,600 以上 |
65〜74(歳) | 2,000 | 2,600 以上 |
75 以上(歳) | 2,000 | 2,600 以上 |
妊婦 | 2,000 | ― |
授乳婦 | 2,200 | ― |
カリウムは肉類や魚介類、野菜や果物、海藻、豆類など、ほとんどすべての食材に含まれています。
なかでも、昆布やヒジキなどの海藻や、アボカド、バナナ、大豆、サツマイモやジャガイモに多く含まれていますので、これらの食材を日々の食生活にうまく取り入れてみましょう。
カリウムは体内の余分なナトリウムの排泄を促して高血圧を予防したり、体内の水分量を調節し、むくみを解消する働きが知られています。このカリウムと一緒に摂るとよいのが昆布やわかめなどの海藻に含まれている、水溶性食物繊維のアルギン酸です。
このアルギン酸は海藻を切った時に出てくるヌルヌルした成分であり、カリウムと協力してナトリウムを体外に排泄する働きがあると言われています。
また、アミノ酸の一種であるタウリンと一緒に摂るのもおすすめです。タウリンには交感神経を抑制して血圧を正常に保つ働きが知られており、カリウムと組み合わせることで高血圧の予防効果が期待できます。
タウリンはタコやイカ、エビなどの魚介類に多く含まれていますので、カリウムを多く含む食材と上手に食べ合わせてみましょう。
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典2:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 |