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さつまいもは生命力が強く、やせた土地でも育つため、世界中で栽培されています。さつまいもには豊富に食物繊維が含まれているほか、ビタミンC、ビタミンEも多く含まれています。さつまいもの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
さつまいもは日本料理でよく使われるため、日本の野菜のイメージがありますが、原産は南米とされています。日本に伝わったのは西暦1600年ごろ、本格的に栽培が始まったのは西暦1700年以降と言われています。
薩摩藩(現在の鹿児島県)で盛んに栽培が行われたことから、「さつまいも」と名付けられ、全国に普及しました。現在でも鹿児島県の生産量は日本の4割を占めています。
さつまいもは甘みが強く、デンプンも多く含んでいるため、主食として、おやつの原料として活用されています。さつまいもと言えば焼き芋を連想しがちですが、大学芋や干し芋、栗きんとん、天ぷら、スイートポテトとしても食されています。
■豊富な食物繊維が便通を改善
さつまいもには豊富に食物繊維が含まれているほか、ビタミンC、ビタミンE、カリウムも多く含まれています。
さつまいもに多く含まれている食物繊維は不溶性食物繊維のセルロースであり、大腸の働きを活発にし、便秘の解消や大腸がんの予防に効果があると言われています。
■さつまいものビタミンCは壊れにくい
ビタミンCは免疫力を活性化したり、美肌に必要なコラーゲンの生成に関与していることが知られていますが、加熱に弱く、調理によって壊れてしまいがちです。
しかし、さつまいものビタミンCはデンプンに守られており、加熱しても損失が少ないのが特徴です。
また、ビタミンEは若返りのビタミンとも呼ばれており、老化の原因となる活性酸素を抑える働きがあります。ビタミンCはビタミンEの働きを助ける役割があり、ビタミンCとEを一緒に摂取する事でより効果が発揮されます。
紫いもにはポリフェノールの一種であるアントシアニンが多く含まれており、眼精疲労や老化防止に効果があります。
以下の表では、さつまいも100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 134kcal |
炭水化物 | 31.9 g |
食物繊維 | 2.2 g |
脂肪 | 0.2 g |
タンパク質 | 1.2 g |
ビタミンA相当量 | 2 μg |
βカロテン | 28 μg |
ビタミンB1 | 0.11 mg |
ビタミンB2 | 0.04 mg |
ビタミンB3 | 0.8 mg |
ビタミンB5 | 0.90 mg |
ビタミンB6 | 0.26 mg |
葉酸 | 49 μg |
ビタミンC | 29 mg |
ビタミンE | 1.5 mg |
ナトリウム | 11 mg |
カリウム | 480 mg |
カルシウム | 36 mg |
マグネシウム | 24 mg |
リン | 47 mg |
鉄分 | 0.6 mg |
亜鉛 | 0.2 mg |
銅 | 0.17 mg |
食物繊維が豊富なさつまいもと食べ合わせのよい食材として、りんごが挙げられます。さつまいもに含まれている食物繊維は不溶性食物繊維であり、体内で消化吸収されることなく、水分を含んで便のかさを増し、大腸の働きを活発にします。
一方、りんごには水溶性食物繊維のペクチンが多く含まれています。ペクチンは腸内をお掃除する働きがあるほか、血糖値の急な上昇を抑えたり、コレステロールの吸収を抑える働きがあると言われています。
そのため、不溶性食物繊維の多いさつまいもと、水溶性食物繊維の多いりんごを一緒に食べることで、便通を改善し、胃腸の調子を整える効果が期待できます。
また、さつまいもはカリウムを多く含む食材ですが、りんごにもカリウムが含まれています。カリウムは体内の水分量を調節したり、不要なナトリウムを排泄する働きがあると言われています。
カリウムはほうれん草や大豆に多く含まれていますので、さつまいもとと一緒にカリウムを多く含む食材を食べることで、むくみを改善したり、高血圧を予防する効果が期待できます。
また、イカやタコに含まれるタウリンはアミノ酸の一種であり、交感神経を抑制して血圧を正常に保つ働きがあると言われています。そのため、カリウムを多く含むさつまいもと一緒にイカやタコを食べることで、高血圧の予防効果が期待できます。
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
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コンニャク ひじき リンゴ 昆布 |
便秘の予防、 動脈硬化の予防 |
ほうれん草 大豆 イカ タコ |
高血圧の予防 |
ごぼう 椎茸 ほうれん草 ニンジン |
ガンの予防 |
レモン イチゴ 小松菜 |
美肌効果、 ストレス予防 |
さつまいもとリンゴの甘煮 | |
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栄養 | さつまいもとリンゴの自然な甘みがおいしいスイーツです。さつまいもに豊富な不溶性食物繊維と、リンゴに豊富な水溶性食物繊維によって、便通を改善し、胃腸の調子を整えるレシピです。 |
材料 | さつまいも1本 リンゴ1個 砂糖大さじ5 レモン果汁大さじ1 水200mL |
作り方 |
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さつまいもとイカの炒め煮 | |
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栄養 | さつまいもに豊富に含まれているカリウムが体内の余分なナトリウムの排泄を促し、イカに豊富なタウリンが交感神経を抑制する、高血圧の予防効果が期待できるレシピです。 |
材料 | さつまいも1本 イカ1杯 水300mL 醤油大さじ1 酒大さじ1 みりん大さじ1 砂糖大さじ1 油大さじ1 |
作り方 |
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出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|さつまいも/塊根/皮つき/生 |