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良い?悪い?リンゴの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

リンゴの食べ合わせ

更新:


 リンゴは日本でも古くから栽培されており、日本人に馴染みのある果物です。果糖やブドウ糖などの糖類や、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、カリウムが豊富に含まれています。リンゴの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


リンゴはどんな食材?

りんごはどんな食材か

 リンゴの歴史はとても古く、遺跡からリンゴの化石が発見されたことから、数千年前から栽培が行われていたと考えられています。品種も非常に多く、世界では数千種、日本でも100種類以上の品種が存在しています。

 世界で最もリンゴを生産しているのは中国で、世界の生産量の約半分を占めています。日本では青森県がダントツの一位で、日本の生産量の半分以上を占めています。

 リンゴの収穫期は9〜11月ですが、保存技術の発達によって1年中新鮮な状態で食べることができるため、いつも購入できる身近な果物の1つとなっています。

 また、リンゴは生で食べるほかにも食材として優秀であり、果汁を使ったジュースや酢、火を通すことでアップルパイや焼きリンゴ、ジャムなどにも加工されています。

リンゴに含まれている栄養素

りんごに含まれている栄養素

■クエン酸やリンゴ酸で疲労回復
 リンゴには果糖やブドウ糖などの糖類や、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸が豊富に含まれています。ブドウ糖などは即効性のエネルギー源になるほか、クエン酸やリンゴ酸は疲労物質である乳酸の生成と分解を促進するため、疲労回復や食欲の増進に役立っています。

 また、リンゴにはカリウムが豊富に含まれています。カリウムは体内の不要なナトリウムを排泄する働きがあるため、高血圧の予防や、体内の水分量を調節することでむくみの解消効果が期待できます。

■水溶性食物繊維のペクチンが豊富
 リンゴに含まれる食物繊維には水溶性食物繊維のペクチンが豊富に含まれています。ペクチンは食べたものの腸内での移動時間を遅らせることで、血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。

 また、善玉コレステロールを増やして高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の予防効果が期待できるほか、便秘の解消にも役立ちます。

 リンゴの赤い皮にはアントシアニンというフラボノイドが含まれており、抗がん作用や抗血栓、抗ウイルス作用があると言われています。



リンゴ100gあたりの栄養価

りんご100gあたりの栄養価

 以下の表では、リンゴ(皮むき)100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 57 kcal
炭水化物 15.5 g
食物繊維 1.4 g
脂肪 0.2 g
飽和脂肪酸 0.01 g
多価不飽和 0.03 g
タンパク質 0.1 g
ビタミンB1 0.02 mg
ビタミンB3 0.1 mg
ビタミンB5 0.03 mg
ビタミンB6 0.04 mg
葉酸 2 μg
ビタミンC 4 mg
ビタミンE 0.1 mg
カリウム 120 mg
カルシウム 3 mg
マグネシウム 3 mg
リン 12 mg
鉄分 0.1 mg
0.05 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高めるりんごの食べ合わせ

■クエン酸とビタミンB1で疲労回復
 リンゴにはリンゴの酸味の元となるリンゴ酸やクエン酸が豊富に含まれています。リンゴ酸やクエン酸には疲労物質である乳酸の代謝を助ける働きがあり、疲労回復の効果が期待できます。

 また、細胞のエネルギー源となるブドウ糖を含んでいるため、細胞のエネルギー代謝を促進し、これもまた疲労回復につながります。このリンゴと食べ合わせのよい食材として、豚肉やうなぎ、レバーなどのビタミンB1を多く含む食材が挙げられます。

 ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関与しており、不足するとエネルギーの産生が滞るほか、疲労物質である乳酸が蓄積し、疲れやすくなってしまいます。

 そのため、リンゴ酸や乳酸、ブドウ糖を豊富に含むリンゴと、ビタミンB1を多く含む豚肉やうなぎ、レバーを食べ合わせることによって、エネルギー代謝と乳酸の代謝が促進され、さらなる疲労回復の効果が期待できます。

■ペクチンと乳酸菌で腸内改善
 リンゴには加熱するとトロトロになる水溶性食物繊維のペクチンが豊富に含まれています。ペクチンの含有量は果物によって異なり、リンゴやイチゴ、ミカンには多く含まれていますので、ジャムづくりには最適な果物です。

 ペクチンは腸内でゲル状となって掃除しながら移動し、便の排泄を助ける働きがあります。また、腸内の善玉菌を増やす働きも知られており、胃腸を健康に保つ整腸作用が期待できます。

 このリンゴと一緒に食べ合わせるとよい食材として、ヨーグルトが挙げられます。ヨーグルトには乳酸菌が豊富に含まれており、乳酸菌を生きたまま腸内に届けることができます。

 乳酸菌は腸内の悪玉菌を減らしたり、腸のぜん動運動を活発にして便秘の解消に役立ちます。また、ヨーグルトには胃粘膜を保護したり、胃酸を和らげる働きがあると言われており、リンゴとヨーグルトを一緒に食べることで、胃腸の調子を整える効果が期待できます。



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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
豚肉
うなぎ
レバー
疲労回復
バナナ
ブドウ
みかん
糖尿病の予防
ダイエット効果
アボカド
サツマイモ
タマネギ
高血圧の予防
コレステロール低下
ヨーグルト
イチゴ
キウイ
胃腸の改善


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|りんご/皮なし/生

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