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ブドウにはブドウ糖や果糖などの糖質が豊富に含まれており、即効性のエネルギーとして疲労回復に役立ちます。また、ブドウの皮にはポリフェノールが豊富に含まれており、抗酸化作用が期待できます。ブドウの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
ブドウの栽培の歴史は非常に古く、紀元前3000年頃から栽培が行われていたと言われています。ブドウを原料としたワインがメソポタミア文明や古代エジプトで重宝されていたことからも、ブドウの歴史が古いことがわかります。
ブドウは平均気温が10〜20℃あたりの温帯地域が栽培に適しており、水はけがよく日当たりが良い土地を好みます。ブドウと一言で言っても非常に多くの品種があり、ワイン用のほか、干しブドウ用、生食用のブドウがあります。
世界におけるブドウの生産量は1位のバナナ、2位のかんきつ類に次いで第3位の果物であり、生産量だけでみると中国が世界最大の生産国となっています。なお、日本では山梨県が最大の生産地であり、第2位が長野県となっています。
■エネルギー源となるブドウ糖が豊富
ブドウにはブドウ糖や果糖などの糖質が豊富に含まれており、即効性のエネルギーとして疲労回復の効果が期待できます。
通常糖分は体内で分解されて、ブドウ糖になってからエネルギーとして使用されるからです。ブドウ糖は脳細胞の大切なエネルギー源でもあります。
■ポリフェノールには抗酸化作用がある
ブドウの皮にはポリフェノールが豊富に含まれています。ポリフェノールは血栓ができるのを防ぎ、抗酸化力でガンや老化の原因とされている活性酸素を減らす働きがあると言われています。
ブドウを絞って作る赤ワインにはポリフェノールがたくさん入っているほか、エネルギー代謝を助けるクエン酸や酒石酸、ビタミンB1・ビタミンB2、強い抗酸化力で活性酸素を抑えるビタミンC、ビタミンEが含まれています。
干しブドウは栄養分が凝縮されており、カリウムやカルシウム、鉄分、マグネシウム、銅などがブドウの5〜20倍も含まれていることから、貧血や骨粗しょう症の予防に効果的であると考えられています。
以下の表では、ブドウ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 69 kcal |
炭水化物 | 18.1 g |
糖類 | 15.48 g |
食物繊維 | 0.9 g |
脂肪 | 0.16 g |
タンパク質 | 0.72 g |
ビタミンB1 | 0.069 mg |
ビタミンB2 | 0.07 mg |
ビタミンB3 | 0.188 mg |
ビタミンB5 | 0.05 mg |
ビタミンB6 | 0.086 mg |
葉酸 | 2 μg |
ビタミンC | 10.8 mg |
カリウム | 191 mg |
カルシウム | 10 mg |
マグネシウム | 7 mg |
リン | 20 mg |
鉄分 | 0.36 mg |
亜鉛 | 0.07 mg |
マンガン | 0.071 mg |
ブドウに豊富に含まれているブドウ糖は別名グルコースとも呼ばれています。ブドウ糖はその名の通り、ブドウから見つかったのでブドウ糖と名付けられました。
私たちの体の細胞はこのブドウ糖をエネルギー源として活動をしています。食べ物から摂取されたデンプンなどの糖質は、最終的にブドウ糖になるまで分解されてから、エネルギー源として利用されます。
ブドウ糖になるまで分解するには時間がかかるため、最初からブドウ糖を摂取すれば、即効性のあるエネルギー源として利用することができます。
このブドウ糖を多く含むブドウと一緒に食べ合わせるとよい食材として、クエン酸を豊富に含むミカンやパイナップル、キウイフルーツが挙げられます。
クエン酸は酸っぱいと感じる酸味成分ですが、体内ではクエン酸回路と呼ばれるエネルギー代謝に関与している物質であり、クエン酸を摂ることでエネルギー代謝がすすみ、代わりに疲労物質である乳酸の分解を促す効果が期待できます。
そのため、即効性のエネルギー源となるブドウ糖を多く含むブドウと、クエン酸を豊富に含む果物を一緒に食べ合わせることで、疲労回復効果が期待できます。
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
---|---|
キウイフルーツ ミカン パイナップル |
疲労回復 |
アスパラガス かぼちゃ 大根 |
高血圧、血栓症の予防 |
きゅうり ふき セロリ カレー粉 |
利尿作用、腎機能改善 |
アロエ パパイア パイナップル |
胃腸を整える |
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|ぶどう/皮なし/生 |