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ふきは日本原産の植物であり、北は北海道から、南は沖縄まで自生しています。主に葉柄と呼ばれる茎のような部分を食しますが、アク抜きを行ってから煮物などに利用されます。ふきにはカリウム、カルシウム、食物繊維が比較的多く含まれています。ふきの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
ふきは日本原産の山菜であり、北は北海道から、南は沖縄まで分布しています。一部が切れた丸い大きな葉をつけるのが特徴で、北海道に生息するラワンブキは背丈が2〜3mにもなります。
茎と思われがちな部分は葉柄と呼ばれ、茎は地下茎として存在しています。食用に用いられる葉柄は下茹でしてあく抜きする必要がありますが、みずみずしくて軟らかい食感であり、煮物や炒め物の具材として用いられています。
■食物繊維とカリウムが多い
ふきにはカリウムや食物繊維が比較的多く含まれています。カリウムは体内の余分なナトリウムを排泄して血圧を下げたり、体内の水分量を調整してむくみを解消すると言われています。
また、食物繊維は腸のぜん動運動を促し、便の量を増やして便通を改善したり、コレステロールの吸収を抑える効果が期待できます。
ふき特有の苦味は、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸によるもので、これは食欲を増進させたり食中毒を防ぐ効果があります。ふきのとうはふきの若芽ですが、栄養価はふきに比べて高いと言われています。
■アク抜きしてから調理する
ふきを食べる際は、アク抜きが必須です。ふきのアクにはピロリジジンアルカロイドという毒が含まれており、健康被害の報告はないものの、取り除くに越したことはありません。
このアクは水溶性であるため、ふきを塩で板ずりしてから軽く茹で、それから水にさらしておくとアク抜きすることができます。
以下の表では、ふき100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 7.9 kcal |
炭水化物 | 1.9 g |
食物繊維 | 1.1 g |
タンパク質 | 0.3 g |
ビタミンA相当量 | 5 μg |
βカロテン | 60 μg |
ビタミンB2 | 0.01 mg |
ビタミンB3 | 0.1 mg |
ビタミンB5 | 0 mg |
ビタミンB6 | 0.08 mg |
葉酸 | 9 μg |
ビタミンC | 0 mg |
ビタミンE | 0.2 mg |
ビタミンK | 5 μg |
カリウム | 230 mg |
マグネシウム | 5 mg |
リン | 15 mg |
鉄分 | 0.1 mg |
亜鉛 | 0.2 mg |
銅 | 0.05 mg |
ふきにはビタミンなどがあまり含まれておらず、栄養価の高い食材であるとは言えません。その中で比較的多く含まれているのが、カリウムと食物繊維です。カリウムは100gあたり230mg、食物繊維は100gあたり1.1g含まれています。
カリウムは体内の水分量を調節したり、余分なナトリウムの排泄を促す働きがあり、むくみを解消したり、ナトリウムを減らして高血圧を予防する効果があると言われています。
このカリウムが比較的多いふきと一緒に食べ合わせるとよい食材として、タウリンが多く含まれているイカやタコ、エビが挙げられます。
タウリンはアミノ酸の一種であり、コレステロールや中性脂肪を減らしたり、交感神経を抑制して血液を一定に保つ働きがあると言われています。
また、水溶性食物繊維であるアルギン酸を多く含む昆布やワカメもおすすめです。アルギン酸はカリウムと協力して余分なナトリウムを排泄する働きがあると言われており、ふきと一緒に食べ合わせることで高血圧の予防効果が期待できます。
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
---|---|
イカ タコ 昆布 ワカメ |
高血圧、動脈硬化の予防 |
コンニャク エノキ茸 セロリ |
ガン予防、 コレステロール低下 |
白菜 大根 かぶ |
胃腸の調子を整える |
うなぎ 小松菜 エビ ニンジン |
老化防止、 体力増強 |
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|ふき/葉柄/生 |