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良い?悪い?にんじんの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

更新:


 にんじんは世界中で食されている野菜であり、多くの種類と色がありますが、一般的にはオレンジ色をしています。にんじんはカロテンが豊富に含まれていることが特徴で、カロテンの中でもβカロテンを多く含んでいます。βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わります。食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


にんじんはどんな食材?

人参はどんな食材か

 にんじんは中央アジアが原産とされており、大きく分けると、西洋ニンジンと東洋ニンジンに分類されます。現在は世界中で栽培されていますが、日本には江戸時代に伝わり、それから盛んに栽培されるようになりました。

 現在流通しているにんじんのほとんどは西洋ニンジンであり、東洋ニンジンは京料理で用いられる金時ニンジンが有名です。

 生で食べることができるほか、炒め物、揚げ物にも利用ができる万能な野菜であり、加熱すると甘みが増します。そのため、ゼリーやケーキなどのスイーツにも利用されることもあります。

にんじんに含まれている栄養素

人参に含まれている栄養素

■βカロテンの含有量はトップクラス
 にんじんはなんといっても豊富なカロテンが特徴で、カロテンの中でもβカロテンを多く含んでいます。βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり、夜盲症や眼精疲労の改善効果が期待できます。

 また、強い抗酸化作用を持っており、ガンや老化の原因となる活性酸素を抑える働きがあると言われています。活性酸素はコレステロールを悪玉コレステロールにしてしまうので、βカロテンを摂ることで動脈硬化の予防にもなります。

■ビタミンCを破壊する酵素が含まれている
 にんじんにはカリウムカルシウムも多く含まれています。カリウムは体内の余分なナトリウムを排泄して血圧を下げる働きがあり、また体内の水分量を調節してむくみを解消する働きがあります。カルシウムは歯や骨を丈夫にし、骨粗しょう症の予防に効果があります。

 にんじんにはビタミンCを破壊する酵素が含まれているので、ビタミンCの多い食材と混ぜる時は、加熱するか酢をかけて酵素の働きを抑える必要があります。


栄養解説
βカロテンは驚きの栄養成分〜健康や美容効果について徹底解説〜
血圧や水分の調節に欠かせない!〜カリウムの働きと効果をポイント解説〜
骨だけじゃない!カルシウムの働き〜効果効能と摂り方を詳しく解説〜



にんじん100gあたりの栄養価

人参100gあたりの栄養価

 以下の表では、にんじん100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 36 kcal
炭水化物 8.7 g
食物繊維 2.4 g
脂肪 0.1 g
タンパク質 0.8 g
ビタミンA相当量 690 μg
βカロテン 6700 μg
ビタミンB1 0.07 mg
ビタミンB2 0.06 mg
ビタミンB3 0.7 mg
ビタミンB5 0.33 mg
ビタミンB6 0.10 mg
葉酸 23 μg
ビタミンC 6 mg
ビタミンE 0.5 mg
ビタミンK 18 μg
ナトリウム 34 mg
カリウム 270 mg
カルシウム 26 mg
マグネシウム 9 mg
リン 25 mg
鉄分 0.2 mg
亜鉛 0.2 mg
0.05 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高める人参の食べ合わせ

 にんじんにはβカロテンが非常に多く含まれており、食品の中でもトップクラスです。βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり、目や皮膚、粘膜を健康に保つ働きが知られています。

 また、βカロテンとしても免疫力を高めたり、強い抗酸化作用によって細胞を傷つける活性酸素の発生を抑える働きがあると言われており、ガン予防や老化防止の効果が期待できます。

 βカロテンが豊富なにんじんと食べ合わせのよい食材として、リコピンが豊富に含まれているトマトが挙げられます。リコピンにも強い抗酸化作用があり、βカロテンの2倍、ビタミンEの100倍と言われています。

 βカロテンの抗酸化作用にリコピンの働きが加わることで、さらなる抗酸化作用が期待できます。

 また、にんじんにもトマトにもカリウムが多く含まれています。カリウムは体内の水分量を調節したり、余分なナトリウムの排泄を促す働きがあると言われています。トマトに含まれているカリウムが加わることで、むくみの改善や、高血圧の予防効果が期待できます。


関連食材
トマト


一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
トマト
白菜
キャベツ
チンゲン菜
老化防止、
ガン予防
タマネギ
セロリ
ワカメ
糖尿病予防
かぼちゃ
ブロッコリー
小松菜
眼精疲労、
眼病予防
ごぼう
たけのこ
コンニャク
動脈硬化、高血圧の予防、
便秘の解消


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|にんじん/根/皮なし/生

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