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良い?悪い?カボチャの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

更新:


 カボチャの栽培の歴史は非常に古く、数千年前から栽培されてきたとされています。カボチャは各種ビタミンやミネラル、食物繊維をバランスよく含む緑黄食野菜であり、なかでもビタミンAを豊富に含んでいます。カボチャの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


カボチャはどんな食材?

かぼちゃはどんな食材か

 カボチャは南北アメリカ大陸とされており、紀元前から栽培されてきた、人類にとって歴史の古い野菜の一つです。現在は世界中で栽培がされていますが、なかでも中国とインドの生産量が突出しています。

 日本では北海道が一大生産地であり、北海道の生産量は全体の約45%となっています。カボチャにはセイヨウカボチャや二ホンカボチャなどの品種があり、日本人に馴染みがある甘くてほくほくしたカボチャはセイヨウカボチャに分類されます。

カボチャに含まれている栄養素

かぼちゃに含まれている栄養素

■βカロテンが非常に豊富な緑黄色野菜
 カボチャは各種ビタミンやミネラル、食物繊維をバランスよく含む緑黄食野菜です。中でも注目したいのがカボチャに豊富なβカロテンと、ビタミンCビタミンEです。

 βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わるほか、βカロテンとしても体内の活性酸素を取り除いたり、免疫力を高める働きがあると言われています。

 ビタミンAは目の粘膜を強化し視力を正常に保つため、眼精疲労にも効果があります。また皮膚を丈夫にする作用もあり、肌荒れやアトピー性皮膚炎の予防にも効果的です。

 このβカロテンはカボチャのワタの部分に多く含まれているので、カボチャを煮る時は種だけを除き、ワタは一緒に煮るようにして下さい。

■抗酸化作用のあるビタミンCとEも多い
 ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、その強力な抗酸化作用により活性酸素の害から体を守ります。活性酸素は体の遺伝子を傷つけたり、コレステロールを酸化させて過酸化脂質に変えたりします。その結果、遺伝子が変異したり過酸化脂質が血管にこびりつき、ガンや動脈硬化、老化を引き起こすのです。

 ビタミンEはこの活性酸素を取り除く事で、細胞の破壊や動脈硬化、ガン、老化を防ぐ事ができるのです。ただし体内の活性酸素が増えすぎた場合はビタミンEの抗酸化作用が追いつかなくなる事があります。

 そこでビタミンEの働きを助けるのがビタミンCです。同じく抗酸化力を持つビタミンCを一緒に摂取する事で抗酸化作用の相乗効果が期待できます。カボチャにはどちらも含まれているので大変有効です。

 また、ビタミンCにはほかにも体に抵抗力をつけたり、紫外線によるメラニン色素の生成を抑え、シミやソバカスを予防する働きがあります。


栄養解説
βカロテンは驚きの栄養成分〜健康や美容効果について徹底解説〜
やはりビタミンCはすごい!〜免疫の働きも助ける最強の美容ビタミンを解説〜
【やはりすごい!】ビタミンEの抗酸化作用〜働きと効果をポイント解説〜



カボチャ100gあたりの栄養価

かぼちゃ100gあたりの栄養価

 以下の表では、カボチャ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 49kcal
炭水化物 10.9 g
食物繊維 2.8 g
脂肪 0.1 g
タンパク質 1.6 g
ビタミンA相当量 60 μg
βカロテン 700 μg
ビタミンB1 0.07 mg
ビタミンB2 0.06 mg
ビタミンB3 0.6 mg
ビタミンB5 0.50 mg
ビタミンB6 0.12 mg
葉酸 80 μg
ビタミンC 16 mg
ビタミンE 1.8 mg
ビタミンK 26 μg
ナトリウム 1 mg
カリウム 400 mg
カルシウム 20 mg
マグネシウム 15 mg
リン 42 mg
鉄分 0.5 mg
亜鉛 0.3 mg
0.08 mg
マンガン 0.10 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高めるかぼちゃの食べ合わせ

 カボチャにはβカロテンビタミンC・Eが豊富に含まれており、栄養価は野菜の中でもトップクラスです。これらビタミンの働きを助ける食べ合わせとして、ほうれん草や小松菜が挙げられます。

 ほうれん草にはβカロテンが豊富に含まれており、カボチャのβカロテンの働きをさらに強化し、免疫力を高めたり、抗酸化作用による老化防止などの効果が期待できます。

 βカロテンは必要に応じてビタミンAに変わりますが、それ以外は肝臓に蓄えられますので、過剰摂取の心配はありません。

 また、ビタミンが豊富なカボチャと一緒に食べたいのが、良質なタンパク質が豊富な鶏肉です。鶏肉は脂肪の多くが皮にあるため、皮を取り除いた鶏肉は低脂肪かつ高タンパクです。

 良質なタンパク質は滋養強壮に欠かせないため、そこにカボチャの豊富なビタミンが加わることで、体力の回復や免疫力の向上が期待できます。


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ほうれん草の栄養成分と効能〜体に嬉しい効果と食べ合わせのコツ〜
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鶏肉の栄養成分と効能〜体に嬉しい効果と食べ合わせのコツ〜



一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
ニンジン
ナス
ほうれん草
小松菜
ガンの予防
免疫力の向上
アスパラガス
ワカメ
アズキ
腎臓病によるむくみの解消
シイタケ
鶏肉
牛肉
カツオ
胃腸を丈夫にする
体力増強
ふき
昆布
銀杏

ハチミツ
気管を整え咳・痰を抑える

栄養満点!
カボチャの食べ合わせレシピ

かぼちゃの食べ合わせレシピ

カボチャとほうれん草のソテー
栄養 βカロテンが豊富なカボチャとほうれん草を組み合わせることで、さらなるβカロテンの効果が期待できます。バターと食用油を入れることで、βカロテンの吸収量がアップします。
材料 カボチャ1/12個
ほうれん草2束
醤油大さじ1
塩コショウ少々
バター10g
油大さじ1
作り方
  1. カボチャは5mmの厚さにスライスし、ほうれん草は5cmほどの長さに切る。

  2. フライパンを熱して油を入れ、カボチャに焼き色がつくまで焼く。

  3. ほうれん草とバターを入れて、ほうれん草に火が通るまでソテーする。

  4. 塩コショウ、醤油で味を調え、器に盛り付けたら出来上がりです。

カボチャと鶏肉の炒め煮
栄養 βカロテンやビタミンCなど、ビタミンが豊富なカボチャと、良質なたんぱく質を含む鶏肉を組み合わせることで、体力回復など滋養強壮の効果が期待できます。
材料 カボチャ1/8個
鶏肉(もも)300g
醤油大さじ2
酒大さじ2
みりん大さじ1
片栗粉適量
油大さじ1
作り方
  1. カボチャは食べやすいよう一口大(3〜4cm角)に切る。鶏肉も一口大(3〜4cm角)に切り、片栗粉をまぶしておく。

  2. フライパンを熱して油を入れ、鶏肉に焼き色がつくまで炒める。

  3. カボチャを入れて軽く混ぜ合わせてから、事前に混ぜ合わせた醤油、酒、みりんを入れ、蓋をする。

  4. 蒸気が出てきたら、弱火で10分ほど蒸し焼きにする。

  5. カボチャに火が通ったら、混ぜ合わせて全体に味を絡ませ、器に盛り付けたら出来上がりです。


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|日本かぼちゃ/果実/生

出典6:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|西洋かぼちゃ/果実/生

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