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良い?悪い?カツオの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!


更新:


 カツオは日本食には欠かせない存在であり、そのまま食すだけでなく、かつお節としてダシの定番となっています。カツオはタンパク質を豊富に含んでいるほか、ビタミンB6やビタミンB12、ビタミンD、ナイアシンなどが多く含まれています。カツオの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


カツオはどんな食材?

鰹はどんな食材か

 カツオは世界中の熱帯・温帯海域に生息しており、日本では春に暖かい黒潮に沿って北上し、秋に南下するという回遊をしています。春に北上するカツオを「初鰹」、秋に南下するカツオを「戻り鰹」と呼び、それぞれの季節の味覚として好まれています。

 日本でカツオと言えば、カツオのたたきや鰹節がよく知られています。鰹節は干したカツオを燻製する製法が江戸時代に考案されたことで生まれたとされ、その後、表面にカビを生やして旨味成分を引き出す技法が考案されました。

 世界的にはカツオの漁獲量の8割以上が缶詰に加工されており、その代表格がツナ缶です。本来はマグロがツナ缶の原料ですが、肉質が近いカツオがツナ缶の原料として多く用いられています。

カツオに含まれている栄養素

鰹に含まれている栄養素

■ビタミンB6がタンパク質の代謝を助ける
 カツオはタンパク質を豊富に含んでいるほか、ビタミンB6やB12、ビタミンD、ナイアシンなどが多く含まれています。

 ビタミンB6はタンパク質の代謝に不可欠であり、アミノ酸への分解に関与しています。タンパク質の摂取が多い人ほど、積極的に摂りたいビタミンです。

 ビタミンB12は植物中には含まれていないビタミンで、葉酸や鉄分とともに赤血球中のヘモグロビンを増やし、貧血の改善に効果があると言われています。また、神経細胞内の核酸の合成や修復を行う働きもあります。

■ナイアシンの含有量はトップクラス
 ビタミンDカルシウムの吸収を促進し骨の生成を助けるので、骨軟化症や骨粗しょう症の予防と改善に効果があると言われています。

 また、イライラする時や、集中力を高めたい時にも効果があると言われており、カルシウムの多い食品と一緒に摂ると効果的です。

 ナイアシンは魚の中でトップクラスの含有量です。ナイアシンはエネルギー代謝を高め血行をよくするので、冷え性の改善に効果があります。

栄養解説
【意外に知らない】ビタミンB6の働き〜効果効能と摂り方を詳しく解説〜
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骨だけじゃない!カルシウムの働き〜効果効能と摂り方を詳しく解説〜



カツオ100gあたりの栄養価

鰹100gあたりの栄養価

 以下の表では、秋カツオ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 165kcal
炭水化物 0.2 g
脂肪 6.2 g
飽和脂肪酸 1.50 g
一価不飽和脂肪酸 1.33 g
多価不飽和脂肪酸 1.84 g
タンパク質 25.0 g
ビタミンA相当量 20 μg
ビタミンB1 0.10 mg
ビタミンB2 0.16 mg
ビタミンB3 18.0 mg
ビタミンB5 0.61 mg
ビタミンB6 0.76 mg
葉酸 4 μg
ビタミンB12 8.6 μg
ビタミンD 9.0 μg
ビタミンE 0.1 mg
ナトリウム 38 mg
カリウム 380 mg
カルシウム 8 mg
マグネシウム 38 mg
リン 260 mg
鉄分 1.9 mg
亜鉛 0.9 mg
0.10 mg
マンガン 0.01 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高める鰹の食べ合わせ

■豊富なナイアシンが代謝を高める
 カツオにはビタミンB6とナイアシンが豊富に含まれており、その含有量は魚の中でトップクラスです。ビタミンB6はタンパク質の代謝に不可欠であり、ナイアシンは糖質や脂質、タンパク質の代謝に不可欠なビタミンです。

 細胞でのエネルギー代謝がうまくいかないと疲労を感じるようになるため、疲労を感じている時にはエネルギー代謝に関与するビタミンを積極的に摂る必要があります。

 このビタミンB6やナイアシンを豊富に含むカツオと一緒に食べ合わせるとよい食材として、ビタミンB1ビタミンB2を多く含む大豆や納豆、いんげん豆が挙げられます。

■ビタミンDがカルシウムの吸収を助ける
 ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関与しており、不足すると疲労物質である乳酸が蓄積するようになります。ビタミンB2もエネルギー代謝に関与しているほか、有害な過酸化脂質の分解に関わっています。

 また、大豆にはカルシウムが豊富に含まれており、カツオに含まれているビタミンDカルシウムの吸収をよくし、骨や歯への沈着を助けます。

 以上のことから、カツオと一緒にビタミンB1とB2、カルシウムを豊富に含む大豆や大豆製品、いんげん豆を一緒に食べ合わせることで、疲労回復効果や、丈夫な骨や歯の形成助ける効果が期待できます。

関連食材
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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
大豆
納豆
いんげん
レバー
疲労回復
トマト
ニンジン
チンゲン菜
高血圧、
動脈硬化予防
アサリ
カキ
ほうれん草
貧血、
冷え性の改善
イワシ
マグロ
ゴマ
ネギ
脳の活性化


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|かつお/秋獲り/生

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