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アサリは日本の浜辺に多く生息しており、日本では古くから食されている食材です。アサリにはビタミンB2、ビタミンB12、カルシウム、鉄分などが豊富に含まれていますが、なかでもタウリンが豊富に含まれています。アサリの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
アサリは二枚貝の一種であり、世界中に生息しています。日本でも非常に古くから食されており、貝塚からも多く出土しているほどです。
アサリからは良質なダシが出るため、味噌汁やうしお汁、クラムチャウダーなど汁物の具のほか、パスタ、酒蒸し、しぐれ煮などに用いられています。
アサリを殻ごと調理する場合は、砂抜きをする必要があります。海水と同じ塩分濃度の水に入れて放置したり、50℃くらいのお湯につけることで簡単に砂抜きすることができます。
■アサリはタウリンが豊富
アサリにはビタミンB2、ビタミンB12、カルシウム、鉄分などが豊富に含まれていますが、なかでもアミノ酸の一種であるタウリンが豊富に含まれています。タウリンは肉類にはあまり含まれておらず、魚介類に多く含まれています。
タウリンは交感神経の働きを静めて血圧の上昇を抑える働きがあります。また、肝臓から胆汁酸の分泌を促進してコレステロールや中性脂肪の排泄を促すため、高血圧のほか動脈硬化や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の予防効果が期待できます。
■鉄分やビタミンB12で貧血予防
アサリは鉄分を多く含んでいるほか、悪性貧血の予防に効果のあるビタミンB12も豊富に含んでいるため、貧血の予防と改善に効果があると言われています。アサリのビタミンB12含有量は、貝の中でもトップクラスです。
アサリの旨味成分はコハク酸によるものですが、コハク酸にはコレステロールの増加を防ぐ働きがあります。
以下の表では、アサリ(二枚貝混合)100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 86kcal |
炭水化物 | 3.57 g |
脂肪 | 0.96 g |
タンパク質 | 14.67 g |
ビタミンA相当量 | 90 μg |
ビタミンB1 | 0.015 mg |
ビタミンB2 | 0.04 mg |
ビタミンB3 | 0.35 mg |
ビタミンB5 | 0.148 mg |
葉酸 | 5 μg |
ビタミンB12 | 11.28 μg |
コリン | 65 mg |
ビタミンE | 0.68 mg |
カリウム | 46 mg |
カルシウム | 39 mg |
マグネシウム | 19 mg |
リン | 198 mg |
鉄分 | 1.62 mg |
亜鉛 | 0.51 mg |
マンガン | 0.085 mg |
■鉄分の含有量はトップクラス
アサリはビタミンB群やミネラル、タウリンを豊富に含んでいますが、特筆すべきは鉄分の多さです。鉄分と言えばレバーを想像しがちですが、レバーを除けば、アサリは食品の中でもトップクラスの鉄分含有量を誇ります。
食品に含まれている鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄が存在しており、ヘム鉄は非ヘム鉄に比べて数倍も吸収がよいと言われています。この吸収がよいヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に多く含まれており、非ヘム鉄は植物性食品や貝類に多く含まれています。
■ビタミンCが鉄分の吸収を助ける
吸収の悪い非ヘム鉄を吸収のよい形に変えるのがビタミンCです。ビタミンCは胃の中で鉄分に作用し、吸収しにくい非ヘム鉄を腸管から吸収しやすい形に変えることがわかっています。
そのため、非ヘム鉄を多く含むアサリと、ビタミンCを豊富に含むパセリやピーマン、レモンを一緒に食べ合わせることで、鉄分を効率よく摂取することができます。
特にパセリはビタミンCだけでなく、鉄分の含有量も食品の中でトップクラスですので、アサリとパセリを食べ合わせることで効率よく鉄分が摂取できると言えます。
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
---|---|
エビ イカ タコ カキ |
コレステロール低下、 スタミナアップ |
シジミ ハマグリ ピーマン パセリ レモン |
貧血の予防と改善 |
シソ チンゲン菜 牛乳 |
イライラの改善、 集中力アップ |
トマト ピーマン ごぼう やまいも |
糖尿病の予防、 |
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|あさり/生 |