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シジミは昔から肝臓や貧血によいとされており、滋養強壮の食材としても重宝されてきました。シジミには良質なタンパク質のほか、ビタミンB群、葉酸、カルシウム、鉄分などを豊富に含んでおり、アサリよりも栄養価の高い食材です。シジミの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
しじみは川や湖などの淡水、または河口近くの汽水に生息する二枚貝であり、日本では在来種であるマシジミ、セタシジミ、ヤマトシジミのほか、外来種のタイワンシジミが生息しています。
風味のあるダシが出ることから、日本人にはアサリと並んで馴染みがあり、古くからみそ汁の具材として用いられてきました。また、濃い味付けの佃煮やしぐれ煮の具材としても重宝されています。
■肝機能を助ける栄養素が豊富
シジミは昔から肝臓や貧血によいとされてきました。シジミには良質なタンパク質のほか、ビタミンB群、葉酸、カルシウム、鉄分などを豊富に含んでおり、アサリよりも栄養価の高い食材です。
シジミが肝臓によいのは、ビタミンやミネラルのほか、アミノ酸のメチオニンやシステイン、タウリンなどが豊富に含まれており、肝臓の機能を助けるからです。
また、肝臓の働きを高めるグリコーゲンも含まれています。シジミが昔から二日酔いに効くとされるのは、肝臓の働きを助けるアミノ酸やグリコーゲンによって肝機能が高められ、肝臓の解毒作用が促進するからです。
■鉄分含有量は魚介類の中でトップクラス
シジミには鉄分が多く含まれており、その含有量はレバーを除けば食品の中でもトップクラスです。併せて葉酸やビタミンB12も含まれています。
葉酸やビタミンB12は赤血球の生成を助ける働きがあるので、鉄分との相乗効果で貧血の予防と改善に効果があります。
以下の表では、シジミ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 64kcal |
炭水化物 | 4.5 g |
脂肪 | 1.4 g |
タンパク質 | 7.5 g |
ビタミンA相当量 | 33 μg |
βカロテン | 97 μg |
ビタミンB1 | 0.02 mg |
ビタミンB2 | 0.44 mg |
ビタミンB3 | 1.5 mg |
ビタミンB5 | 0.53 mg |
ビタミンB6 | 0.10 mg |
葉酸 | 26 μg |
ビタミンB12 | 68.4 μg |
ビタミンC | 2 mg |
ビタミンE | 1.7 mg |
ビタミンK | 2 μg |
ナトリウム | 180 mg |
カリウム | 83 mg |
カルシウム | 240 mg |
マグネシウム | 10 mg |
リン | 120 mg |
鉄分 | 8.3 mg |
亜鉛 | 2.3 mg |
銅 | 0.41 mg |
■シジミは疲労回復によい食材
シジミは滋養によい栄養価の高い食材として、古くから重宝されてきました。体力が低下しやすい夏バテの時期には、うなぎと同様に「土用のシジミ」として食され、疲労回復の特効薬とされてきました。
シジミが疲労回復や滋養強壮に効果があるのは、豊富に含まれている各種アミノ酸やグリコーゲンが肝機能を助けるためと考えられています。
このシジミと一緒に食べ合わせるとよい食材として、タウリンを豊富に含むイカやタコ、エビが挙げられます。
■タウリンがシジミの効果を後押し
タウリンはアミノ酸の一種であり、体内のあらゆる臓器に存在しています。その量は体重の0.1%に相当すると言われており、タウリンが重要なアミノ酸であることがわかります。
このアミノ酸には体内の状態を一定に保つ働きがあると言われています。この働きはホメオスタシス(恒常性維持)と呼ばれており、低下している機能を活性化したり、過剰に働いている機能を抑えたりします。
そのため、シジミと一緒にタウリンが豊富に含まれているイカやタコ、エビを食べ合わせることで、シジミが持つ肝機能を助ける働きをタウリンが後押しし、さらなる疲労回復効果と滋養強壮効果が期待できます。
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
---|---|
アサリ カキ 鶏肉 レバー |
肝機能の改善、 貧血の改善 |
タマネギ トマト ニンジン セロリ |
高血圧、 動脈硬化の改善 |
イカ タコ エビ カキ |
滋養強壮、 血行促進 |
ネギ ワカメ クルミ ゴマ |
抜け毛、 白髪の予防 |
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|しじみ/生 |