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良い?悪い?ハマグリの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

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 ハマグリは日本の浜辺に生息しており、日本では古くから食されている食材です。ハマグリにはカルシウムマグネシウム、リン、亜鉛鉄分などのミネラルが豊富に含まれています。ハマグリの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


ハマグリはどんな食材?

蛤はどんな食材か

 ハマグリは日本および朝鮮半島の近海に生息している二枚貝であり、大きなものになると、10cmを超えることもあります。日本では古くから食されており、縄文時代の貝塚からもハマグリの貝殻が出土しています。

 昔は東京湾も一大産地でしたが、昭和後期には干拓や護岸工事などによって、日本のハマグリは激減しています。そのため、日本で流通しているハマグリの9割以上は輸入に頼っています。

 ハマグリからは上質なダシが出るため、お吸い物やクラムチャウダー、土瓶蒸し、鍋、酒蒸しなどの食材として利用されています。

ハマグリに含まれている栄養素

蛤に含まれている栄養素

■カルシウムが骨や歯を丈夫にする
 ハマグリにはカルシウムマグネシウム、リン、亜鉛鉄分などのミネラルが豊富に含まれています。カルシウムは歯や骨を丈夫にするほか、ホルモンの分泌や筋肉の収縮にも関わっています。

 カルシウムは日本人に不足がちで、不足すると骨粗しょう症や集中力がなくなる、イライラするなどの症状が現れます。

■鉄分や亜鉛が多く含まれている
 ハマグリにはアサリに及ばないものの、鉄分が多く含まれています。鉄分は赤血球中のヘモグロビンの原料であり、全身に酸素を運ぶ赤血球をつくるのに欠かせません。鉄分を摂ることで、貧血や冷え性の改善に効果があります。

 亜鉛は「セックスミネラル」とも呼ばれ、ホルモンの分泌を促進して強精強壮効果があります。また、ビタミンCとともにコラーゲンの生成にも関わっています。

栄養解説
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ハマグリ100gあたりの栄養価

蛤100gあたりの栄養価

 以下の表では、ハマグリ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 39 kcal
炭水化物 1.8 g
脂肪 0.6 g
タンパク質 6.1 g
ビタミンA相当量 9 μg
ビタミンB1 0.08 mg
ビタミンB2 0.16mg
ビタミンB3 1.1 mg
ビタミンB6 0.08 mg
葉酸 20 μg
ビタミンB12 28.4 μg
ビタミンC 1 mg
ビタミンE 0.6 mg
ナトリウム 780 mg
カリウム 160 mg
カルシウム 130 mg
マグネシウム 81 mg
リン 96 mg
鉄分 2.1 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高める蛤の食べ合わせ

■カルシウムの含有量がアサリの2倍
 ハマグリにはグリシンやグルタミン酸などの旨味成分のほか、カルシウムマグネシウム鉄分亜鉛などの各種ミネラルが豊富に含まれています。なかでも特筆すべきはカルシウムの多さです。

 カルシウムと言うと子魚などを想像しがちですが、貝類にもカルシウムが多く含まれています。ハマグリとアサリは栄養素が似ていますが、カルシウムの含有量はアサリの2倍もあり、シジミに匹敵しています。

 このカルシウムが豊富なハマグリと一緒に食べ合わせるとよい食材として、ビタミンDを多く含むサケやイワシ、シイタケやシメジが挙げられます。

■ビタミンDがカルシウムの吸収を助ける
 ビタミンDは丈夫な骨や歯をつくるのに欠かせないカルシウムの吸収を助ける働きがあり、ビタミンDカルシウムと一緒に摂ることで、骨への沈着を助け、骨を丈夫に保つ働きがあると言われています。

 ビタミンDは野菜や果物にはほとんど含まれておらず、魚に多く含まれています。また、キノコ類にはビタミンDの前駆体であるエルゴステリンとして存在し、紫外線が当たることでビタミンDに変わります。

 また、ハマグリと一緒に大豆を食べるのもおすすめです。大豆にはカルシウムが豊富に含まれているほか、タンパク質やマグネシウムも多く含まれています。

 カルシウムは吸収しにくい栄養素の1つですが、タンパク質やマグネシウムにはカルシウムの吸収を助ける働きがあることがわかっており、一緒に食べることでカルシウムの摂取量を増やすことができます。

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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
イワシ
サケ
大豆
小松菜
シイタケ
骨粗しょう症の予防
精神安定
オクラ
椎茸
セロリ
サバ
高血圧、動脈硬化の予防
うなぎ
カキ
豚肉
レバー
疲労回復、体力増強
ほうれん草
ニラ
チンゲン菜
貧血、冷え性の改善


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|はまぐり/生

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