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良い?悪い?ニラの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

更新:


 ニラはビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な緑黄色野菜であり、ニラ特有の臭いとなる硫化アリルが含まれています。ビタミンの中でもβカロテンが非常に多く含まれており、ニラを一束食べれば1日の必要量を満たすほどです。ニラの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


ニラはどんな食材?

にらはどんな食材か

 ニラは中国が原産のネギの仲間である多年草であり、濃い緑色の線状の葉と、独特の風味が特徴です。この独特の風味はニンニクにも含まれている硫化アリルの一種であるアリシンによるものです。

 ニラは生命力が強く、刈り取ってもまた株から葉が出てくるため、1年で4〜5回も収穫することができます。ニラの独特の風味と食感を生かし、レバニラやチヂミ、スープ、お浸し、炒め物、餃子、鍋の具材として重宝されています。

ニラに含まれている栄養素

にらに含まれている栄養素

■ニラは栄養豊富な緑黄色野菜
 ニラはビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な緑黄色野菜です。なかでもβカロテンの量が多く含まれており、一束食べれば1日の必要量を満たすほどです。

 βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり夜盲病などの眼病を予防したり、皮膚や粘膜の保護、免疫力の向上、老化の原因となる活性酸素の除去に役立つと言われています。

 また、ビタミンCビタミンEカリウムカルシウムも多く含まれており、ニラは栄養価が高い野菜であると言えます。

■硫化アリルがビタミンB1の吸収を助ける
 ニラ特有の匂いは硫化アリルによるものです。この硫化アリルは体内でビタミンB1の吸収を助け、ビタミンB1と結びついて作用を持続させます。

 ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関わっており、疲労回復、消化液の分泌促進による食欲不振の改善に効果があります。また、硫化アリルに発ガン抑制作用があると言われています。

 このほかニラにはセレンが含まれており、ガンや動脈硬化の原因となる過酸化脂質の分解を助ける働きも期待できます。


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ニラ100gあたりの栄養価

にら100gあたりの栄養価

 以下の表では、ニラ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 21 kcal
炭水化物 4.0 g
食物繊維 2.7 g
脂肪 0.3 g
タンパク質 1.7 g
ビタミンA相当量 290 μg
βカロテン 3500 μg
ビタミンB1 0.06 mg
ビタミンB2 0.13 mg
ビタミンB3 0.6 mg
ビタミンB5 0.50 mg
ビタミンB6 0.16 mg
葉酸 100 μg
ビタミンC 19 mg
ビタミンE 2.5 mg
ビタミンK 180 μg
カリウム 510 mg
カルシウム 48 mg
マグネシウム 18 mg
リン 31 mg
鉄分 0.7 mg
亜鉛 0.3 mg
0.07 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高めるにらの食べ合わせ

 ニラは栄養豊富な緑黄色野菜ですが、なかでも特筆すべきは特有の香りでもある硫化アリルの一種、アリシンです。アリシンはビタミンB1と結合して、ビタミンB1の吸収を助ける働きがあります。

 ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関わっている補酵素であり、不足するとエネルギー代謝の過程で発生する疲労物質の乳酸が蓄積してしまいます。

 そのため、硫化アリルを含むニラと、ビタミンB1を多く含む豚肉やレバーを一緒に食べ合わせることで、ビタミンB1の吸収を促し、疲労回復効果が期待できます。

 また、ニラにはβカロテンが多く含まれており、強い抗酸化作用が期待できます。この抗酸化作用を助ける食べ合わせとして、トマトやニンジンが挙げられます。

 トマトには赤色色素であるリコピンが含まれており、抗酸化作用はβカロテンの2倍、ビタミンEの100倍と言われています。また、ニンジンにはβカロテンが非常に多く含まれており、ニラの2倍にもなります。

 抗酸化作用が増強されることで、老化やガンの原因と考えられている活性酸素の働きを抑える効果が期待できます。


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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
ゴマ
植物油
大豆
カシューナッツ
老化防止
豚肉
トマト
ニンジン
椎茸
ガン予防、
糖尿病予防
豚肉
うなぎ
レバー
疲労回復
大根
リンゴ
やまいも
胃腸の調子を整える


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|にら/葉/生

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