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オクラはアフリカが原産地であり、エジプトでは紀元前から栽培されていたと言われています。オクラはネバネバ成分があることが特徴であり、このネバネバは食物繊維のペクチンや糖タンパクのムチレージなどからできています。オクラの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
オクラはアフリカが原産とされており、紀元前のエジプトではすでに栽培されていたとされています。日本に入ってきたのは明治になってからで、温暖な九州や沖縄などで主に栽培されています。
尖った形が特徴的なオクラですが、実があまり大きくなってしまうと固くて食べられなくなってしまうため、10cmくらいの若い実の状態で収穫します。オクラを選ぶ際は、濃い緑色をして全体的にうぶ毛の生えたものを選ぶようにしましょう。
食べ方としては、さっと茹でてから小口切りにし、和え物や炒め物、スープの具材として用いられています。
■ネバネバ成分が胃腸を助ける
オクラはネバネバ成分があることが特徴です。このネバネバは水溶性食物繊維のペクチンや糖タンパクのムチレージなどからできています。ペクチンは体内で水分を吸収してふくらみ、大腸のぜん動運動を活発にする整腸作用があります。
ムチレージはやまいもや納豆にも含まれている粘り成分であり、タンパク質の消化吸収を助ける働きがあると言われています。オクラのネバネバがスタミナアップによいとされるのはこのためです。また、胃などの粘膜を守る働きがあり、胃炎や胃潰瘍の予防や改善に効果があると考えられています。
■糖や脂肪の吸収を抑える
ペクチンやムチレージには血圧を下げる、糖質やコレステロールの吸収を妨げる、脂肪の吸収などの働きがあると言われており、生活習慣病の予防と改善の効果が期待できます。
オクラにはこのほか、βカロテンやビタミンCなどのビタミン類や、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類が含まれています。
以下の表では、オクラ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 30kcal |
炭水化物 | 6.6 g |
食物繊維 | 5.0 g |
脂肪 | 0.2 g |
タンパク質 | 2.1 g |
ビタミンA相当量 | 56 μg |
βカロテン | 670 μg |
ビタミンB1 | 0.09 mg |
ビタミンB2 | 0.09 mg |
ビタミンB3 | 0.8 mg |
ビタミンB5 | 0.42 mg |
ビタミンB6 | 0.10 mg |
葉酸 | 110 μg |
ビタミンC | 11 mg |
ビタミンE | 1.2 mg |
ビタミンK | 71 μg |
カリウム | 260 mg |
カルシウム | 92 mg |
マグネシウム | 51 mg |
リン | 58 mg |
鉄分 | 0.5 mg |
亜鉛 | 0.6 mg |
銅 | 0.13 mg |
マンガン | 0.48 mg |
オクラのネバネバ成分は糖たんぱくのムチレージと水溶性食物繊維のペクチンですが、ムチレージはやまいもや納豆のネバネバ成分でもありますので、オクラとやまいも、納豆の組み合わせは非常に相性がよく、ネバネバ成分の効果をより高めてくれます。
また、ムチレージにはタンパク質の消化と吸収を助ける働きがあると言われており、豚肉などのタンパク質を豊富に含む食材を一緒に食べることもおすすめです。特に豚肉にはオクラに少ないビタミンB1が豊富に含まれています。
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関わっている補酵素であり、ビタミンB1が不足すると体内でのエネルギー代謝がうまく行われないばかりか、疲労物質である乳酸が蓄積しやすくなります。
そのため、オクラと豚肉を一緒に食べ合わせると体力回復やスタミナアップの効果が期待できます。
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
---|---|
椎茸 白菜 ブロッコリー トマト |
肥満の予防、 ガンの抑制 |
タマネギ コンニャク イワシ サバ サンマ |
高血圧の予防、 老化防止 |
豚肉 鶏肉 牛肉 鶏卵 |
スタミナアップ、 免疫力アップ |
やまいも 納豆 なめこ 昆布 |
滋養強壮 |
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|オクラ/果実/生 |