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良い?悪い?納豆の食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

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 納豆は大豆を原料とした発酵食品であり、その匂いと粘りが特徴的です。原料の大豆よりも栄養価が高く、なかでもビタミンB2カリウム、食物繊維が豊富に含まれています。消化も良いため、離乳食の食材としても重宝されています。納豆の食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


納豆はどんな食材?

納豆はどんな食材か

 納豆は大豆を納豆菌で発酵させたものであり、匂いとねばりが特徴的な食品です。多くの日本人に愛されていますが、その匂いから外国人にはあまり好かれることはありません。

 納豆がいつ頃から作られるようになったのかは不明ですが、平安時代には納豆という言葉があったとされています。納豆の始まりには諸説ありますが、納豆菌は稲わらに存在しており、茹でた大豆と稲わらから偶然出来上がったのが始まりと考えられています。

 昔からの自然発酵による納豆の作り方は、十分に加熱した大豆を稲わらで包み、40℃くらいに保温して1〜2日程度おいておくと出来上がります。

 現在は納豆菌の培養方法が確立されており、衛生的な工場で加熱した大豆に納豆菌を含んだ液を散布し、容器に充填して発酵させることで大量生産されています。

納豆に含まれている栄養素

納豆に含まれている栄養素

■原料の大豆よりも栄養価が高い
 納豆は昔から健康食としてなじみの深い食品で、大豆を蒸して納豆菌をふりかけて発酵させたものです。納豆に含まれる成分は基本的に原料の大豆と同じですが、納豆菌により格段に消化がよくなっているほか、栄養価も高くなっています。

 タンパク質や脂質の代謝に欠かせないビタミンB2は、納豆菌による発酵によって大豆の2倍近くにもなっています。また、カリウム鉄分などのミネラルも含まれており、栄養バランスの良い食材です。

 食物繊維と聞いて納豆を想像することはほぼありませんが、実は納豆には非常に多くの食物繊維が含まれており、その含有量はごぼう以上となっています。

■ビタミンK2が骨を丈夫にする
 納豆特有の成分としてナットウキナーゼが含まれています。このナットウキナーゼには血栓を溶かす作用があるとされており、血液の流れを良好に保つ効果が期待されています。

 また納豆菌はビタミンK2も作ります。ビタミンK2は発酵食品に多く含まれている成分で、カルシウムの流出を防ぐ働きがあるため、骨を丈夫にする効果があります。納豆に含まれているビタミンK2の量は、他の発酵食品の数百倍とも言われています。

 このほか、納豆にはレシチンやリノール酸も含まれており、脳の活性化やコレステロールを下げる役割が期待されています。

栄養解説
皮膚や粘膜の健康に欠かせない!〜ビタミンB2の働きと効果をポイント解説〜
血圧や水分の調節に欠かせない!〜カリウムの働きと効果をポイント解説〜
鉄分は摂りにくい!〜効果効能と吸収を助ける上手な摂り方を徹底解説〜



納豆100gあたりの栄養価

納豆100gあたりの栄養価

 以下の表では、納豆100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 200 kcal
炭水化物 12.1 g
食物繊維 6.7 g
脂肪 10.0 g
タンパク質 16.5 g
ビタミンB1 0.07 mg
ビタミンB2 0.56 mg
ビタミンB3 1.1 mg
ビタミンB5 3.60 mg
ビタミンB6 0.24 mg
葉酸 120 μg
ビタミンE 0.5 mg
ビタミンK 600 μg
ナトリウム 2 mg
カリウム 660 mg
カルシウム 90 mg
マグネシウム 100 mg
リン 190 mg
鉄分 3.3 mg
亜鉛 1.9 mg
0.61 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高める納豆の食べ合わせ

■ビタミンB2が発酵で大豆の2倍
 納豆は大豆と同様に栄養価が高く、ビタミンやミネラル、良質なタンパク質を豊富に含んでいますが、なかでも特筆すべきはビタミンB2の多さです。

 ビタミンB2はタンパク質や脂質のエネルギー代謝に関わっているほか、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあり、不足すると口内炎や皮膚炎が起こりやすくなります。

 ビタミンB2はレバーやうなぎ、魚類に多く含まれていますが、納豆の含有量はレバーには及ばないものの、うなぎや魚類に匹敵する含有量となっており、発酵によって大豆の2倍となっています。

■ビタミンB2とβカロテンで美肌効果
 ビタミンB2を多く含む納豆と一緒に食べ合わせるとよい食材として、βカロテンを豊富に含むニンジンやほうれん草、カボチャが挙げられます。

 βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり、髪や爪、皮膚、粘膜を健康に保つ働きがあり、美肌には欠かせないビタミンの1つです。そのため、ビタミンB2を多く含む納豆と、βカロテンを多く含むニンジンやほうれん草を一緒に食べ合わせることで、さらなる美肌効果が期待できます。

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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
小松菜
ニンジン
ほうれん草
カボチャ
美肌効果
アスパラガス
ネギ
ほうれん草
ホタテ
高血圧、動脈硬化の予防
やまいも
ニラ
シソ
ネギ
胃腸を丈夫にする
エビ
羊肉
鶏肉
豚肉
疲労回復、スタミナアップ


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|だいず/[納豆類]/糸引き納豆

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