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良い?悪い?知るべき牛肉の食べ合わせと栄養

牛肉の食べ合わせ

更新:


 牛肉は良質なタンパク質、脂質に恵まれているほか、鉄分亜鉛、リンなどのミネラルも豊富に含まれています。鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄がありますが、牛肉には吸収のよいヘム鉄が豊富に含まれています。牛肉の食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


牛肉はどんな食材?

牛肉はどんな食材か

 牛肉は世界中で食されている食材ですが、日本での歴史は浅く、食用肉として普及するようになったのは明治の文明開化以降のことです。当時は流通量が少なく高価なものでしたが、平成以降は海外から安価は牛肉が輸入されるようになり、身近な食材となりました。

 牛肉はほとんどすべての部位が食用にされているといっても過言ではありません。牛肉と一言でいっても、肩、肩ロース、ネック、サーロイン、モモなど部位によって呼び方が異なり、食感も異なるため、料理に合わせて部位が選ばれています。

牛肉に含まれている栄養素

牛肉に含まれている栄養素

■吸収しやすいヘム鉄が豊富
 牛肉は良質なタンパク質、脂質に恵まれているほか、鉄分亜鉛、リンなどのミネラルも豊富に含まれています。食品に含まれている鉄分はヘム鉄と非ヘム鉄に分かれており、肉や魚にはヘム鉄、野菜などの植物には非ヘム鉄が含まれています。

 これらは吸収率が異なり、ヘム鉄は非ヘム鉄より5〜6倍も吸収率がよいのです。牛肉にはもちろん吸収のよいヘム鉄が豊富に含まれています。よって、貧血や疲労倦怠感の改善に効果があります。

 亜鉛は成長に欠かせないミネラルであるほか、「セックスミネラル」とも呼ばれホルモンの分泌にも関わっており、強精強壮効果があります。 また、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB2など、ビタミンB群も多く含まれています。

■バランスよくアミノ酸が含まれている
 牛肉のタンパク質は人の体に似たアミノ酸の構成をしており、吸収効率がとてもよいです。なかでも人の身体では作ることのできない必須アミノ酸のリジンを豊富に含んでいます。

 リジンは成長や回復力に関わっており、不足すると疲れやすくなったり集中力がなくなるほか、血中コレステロールが増えたりします。加齢と共に不足しがちなので、意識して摂取する必要があります。

ピックアップ解説
■ビタミンB2
 ビタミンB2は水溶性ビタミンであり、少し難しい言い方をすると、体内でエネルギー産生に関わる酸化還元酵素の補酵素として働いています。

 ビタミンB1が糖質の代謝に関わっているのに対し、ビタミンB2は糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わっています。特に脂質の代謝に必要とされているため、脂質を多く摂っている人は積極的に摂取したいビタミンです。

 また、ビタミンB2は皮膚や粘膜、髪や爪を健康に保つ働きがあるほか、「発育のビタミン」とも呼ばれており、子供の成長促進に欠かせない栄養素でもあります。
≫ビタミンB2をもっと詳しく
■鉄分
 鉄は私たちの体内に3〜4g存在しているミネラルであり、その多くは赤血球の原料となるヘモグロビンとして使われている非常に重要な栄養素です。鉄を含むヘモグロビンは酸素と結びつく性質があるため、赤血球は酸素を全身に運ぶことができます。

 体内に存在している鉄の約70%はヘモグロビンやミオグロビンとして存在しています。ヘモグロビンは赤血球を構成する主成分であり、全身に酸素を運ぶ役割を担っています。また、ミオグロビンは筋肉中に酸素を蓄える働きをしています。残りの鉄は骨髄や肝臓、脾臓に貯蔵鉄として蓄えられており、体内の鉄が不足した際に使われます。
≫鉄分をもっと詳しく
■亜鉛
 亜鉛は成人の体内に2〜3g存在しており、体内でつくることができない必須ミネラルの一つです。主に筋肉や骨の中に多く存在していますが、それ以外にも肝臓や腎臓、膵臓、脾臓など、幅広い臓器に存在しています。体内ではつくることができないため、必要量をすべて食事から摂る必要があります。

 亜鉛はたんぱく質やDNAの合成に関与しているほか、ホルモンの合成や分泌、200種類以上の酵素の構成要素として生体内の反応に関与しており、生命維持と成長に欠かせない栄養素です。また、亜鉛は免疫機能の調節にも関与しており、亜鉛が免疫細胞の働きを活性化させると言われています。
≫亜鉛をもっと詳しく



牛肉100gあたりの栄養価

牛肉100gあたりの栄養価

 以下の表では、牛肉(ロース)100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 190kcal
炭水化物 0 g
糖類 0 g
脂肪 12.4 g
飽和脂肪酸 4.619 g
一価不飽和 6.5 g
多価不飽和 0.406 g
タンパク質 19.9 g
ビタミンA相当量 4 μg
ビタミンB1 0.084 mg
ビタミンB2 0.224 mg
ビタミンB3 3.588 mg
ビタミンB6 0.399 mg
ビタミンB12 2.64 μg
ナトリウム 80 mg
カリウム 326 mg
カルシウム 6 mg
マグネシウム 22 mg
リン 192 mg
鉄分 2.41 mg
亜鉛 7.12 mg
出典:USDA食品成分データベース

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高める牛肉の食べ合わせ

■必須アミノ酸のリジンが豊富
 牛肉は私たちの体に必要なアミノ酸を豊富に含んだ、良質なタンパク質です。私たちの体を構成するタンパク質は20種類のアミノ酸からできており、そのうち9種類は体内でつくることができず、食品から摂取する必要があります。この9種類のアミノ酸を必須アミノ酸と呼んでいます。

 牛肉には必須アミノ酸の1つであるリジンが豊富に含まれています。リジンは体の成長や脳に働きかけて集中力を高める働きがあると言われており、疲労回復にも役立ちます。

 また、ビタミンB群の一つであるナイアシンも豊富に含まれています。ナイアシンは糖質やたんぱく質、脂質の代謝に不可欠であり、不足すれば体内のエネルギー代謝がうまくいかなくなります。

■栄養バランスを補うトマトがおすすめ
 リジンとナイアシンを豊富に含む牛肉と一緒に食べ合わせるとよい食材として、トマトが挙げられます。

 トマトには各種ビタミンやミネラルが豊富に含まれているほか、強い抗酸化作用のあるリコピンも含まれています。牛肉はアミノ酸が豊富に含まれている一方で、ビタミンAビタミンCなどはほとんど含まれていません。

 リジンとナイアシンを豊富に含む牛肉と、ビタミン・ミネラルを豊富に含むトマトを一緒に食べることで、それぞれが不足している栄養素を補うことができ、体内のエネルギー代謝や、疲労物質の排泄が円滑に進むため、疲労回復効果が期待できます。

 また、トマトにも牛肉にも豊富にカリウムが含まれています。カリウムは体内の水分量を調節したり、余分なナトリウムの排泄を促進する働きがあり、トマトと牛肉を食べ合わせることで、むくみの解消や、高血圧の予防効果も期待できます。

関連食材
トマト


一緒に食べるとよい食材
期待できる効果


一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
ニンニク
トマト
カキ
シジミ
疲労回復、体力増強
じゃがいも
タマネギ
白菜
ふき
胃腸を丈夫にする
大麦
ごま
ナス
オリーブオイル
傷の回復力促進
きゅうり
うり
セロリ
チコリ
利尿作用、腎臓病改善


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|うし/[輸入牛肉]/かたロース/赤肉/生

出典6:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|うし/[輸入牛肉]/もも/赤肉/生

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食べ合わせ一覧
野菜 野菜
キノコ キノコ
果物 果物
肉・卵・乳類 肉・卵・乳類
魚介類 魚介類
海藻 海藻
豆類 豆類
種子 種子
嗜好品 嗜好品