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チーズは牛乳などを発酵し熟成して作った食品であり、発酵・熟成の過程でタンパク質、脂質、レチノールが牛乳の7倍、カルシウムも6倍にも増えています。チーズには必須アミノ酸が豊富に含まれていますが、なかでもメチオニンが豊富に含まれています。チーズの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
チーズは牛や山羊などの乳を原料として、乳の中にあるタンパク質の一種であるカゼインを固めて作ったものです。チーズの歴史は非常に古く、紀元前からチーズが作られていたとされています。
チーズは大きく分類するとナチュラルチーズとプロセスチーズの二つがあります。ナチュラルチーズは牛乳を発酵・熟成して作ったものであり、プロセスチーズはナチュラルチーズを溶かして固めたものです。加熱されることで発酵が止まり、長期保存に適しています。
チーズは原料や製法によって非常にたくさんの種類があり、モッツァレラやカマンベール、チェダー、ゴーダ、パルミジャーノレッジャーノなどがあります。
■牛乳の栄養素が濃縮されている
チーズは牛乳などを発酵し熟成して作った食品で、発酵熟成のみを行ったナチュラルチーズと、これを加熱・調味したプロセスチーズに分けられます。
チーズに含まれる栄養素は基本的に原料となる牛乳などと変わりませんが、発酵・熟成の過程でタンパク質、脂質、レチノールが牛乳の7倍、カルシウムも6倍にも増えています。しかも、乳酸菌や酵素の働きで消化吸収されやすい状態になっています。
■必須アミノ酸のメチオニンが豊富
チーズには必須アミノ酸が豊富に含まれていますが、なかでもメチオニンが豊富に含まれています。メチオニンには肝機能の向上し、肝臓に脂肪が溜まるのを防ぐ働きがあり、肝機能障害の予防に効果があります。また、冷え性や虚弱体質の改善、体力回復にも効果があります。
レチノールは動物性のビタミンAのことで、皮膚や粘膜の保護や細胞膜の修復、感染症に対する抵抗力の向上、眼精疲労の改善や眼病予防にも効果があります。加熱をしていないナチュラルチーズは、酵素や乳酸菌を生きたまま体内に摂り入れられるので、善玉菌を増やし、免疫活性化に効果があります。
このほか、牛乳と同様にビタミンB2も多く含まれています。ビタミンB2は脂質やタンパク質のエネルギー代謝に関与しているほか、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。
以下の表では、チーズ(プロセスチーズ)100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 371 kcal |
炭水化物 | 3.7 g |
糖分 | 2.26 g |
脂肪 | 31.79 g |
飽和脂肪酸 | 18.057 g |
一価不飽和脂肪酸 | 8.236 g |
多価不飽和脂肪酸 | 1.286 g |
タンパク質 | 18.13 g |
ビタミンA相当量 | 250 μg |
βカロテン | 80 μg |
ビタミンB2 | 0.234 mg |
ビタミンB3 | 0.076 mg |
ビタミンB5 | 0.403 mg |
ビタミンB6 | 0.054 mg |
葉酸 | 8 μg |
ビタミンB12 | 1.5 μg |
コリン | 36.2 mg |
ビタミンD | 23 IU |
ビタミンE | 0.8 mg |
カルシウム | 1045 mg |
鉄分 | 0.63 mg |
マグネシウム | 26 mg |
セレン | 20.2 μg |
リン | 641 mg |
カリウム | 132 mg |
ナトリウム | 1671 mg |
亜鉛 | 2.49 mg |
■カルシウムは牛乳の約6倍
一般的なチーズの原料は牛乳であるため、チーズに含まれている栄養素も牛乳と同じです。しかし、発酵して固まる過程で栄養素は濃縮されており、100gあたりの含有量を比較すると圧倒的にチーズの方が栄養価が高くなっています。
牛乳と言えばカルシウムを連想するほどカルシウムが豊富ですが、チーズになると牛乳の約6倍にもなり、カルシウムの含有量は食品の中でもトップクラスです。
このカルシウムが豊富なチーズと食べ合わせるとよい食材として、ビタミンDを多く含むサケやイワシ、シイタケが挙げられます。
■ビタミンDがカルシウムの吸収を助ける
ビタミンDは野菜や果物にはほとんど含まれておらず、魚に多く含まれています。ビタミンDはカルシウムやリンの吸収をよくし、骨への沈着を助ける働きがあるため、骨や歯を丈夫にします。
シイタケやしめじなどのキノコ類にもエルゴステリンという形で多く含まれており、紫外線が当たることでビタミンDに変化します。
そのため、カルシウムを豊富に含むチーズと、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを豊富に含む食材を一緒に食べることで骨の成長を助け、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
---|---|
イワシ サケ サンマ シイタケ |
骨粗しょう症の予防、精神安定 |
エノキ茸 セロリ もやし |
便秘の解消 |
ほうれん草 レバー 大豆 ごま |
貧血の予防と改善 |
アスパラガス ピーマン レモン |
美肌効果 |
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|プロセスチーズ |