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良い?悪い?もやしの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

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 もやしはみずみずしくシャキシャキとした食感が楽しめる野菜で、通年価格が安定しています。もやしにはビタミンCが比較的多く含まれているほか、植物性タンパク質やビタミンB1ビタミンB2カルシウム、食物繊維を含んでおり、手に入りやすく使いやすい野菜です。もやしの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


もやしはどんな食材?

もやしはどんな食材か
もやしってスーパーで安く売っていますけど、そもそもどんな野菜なんですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト もやしは豆類の種子を発芽させたもので、いわゆるスプラウトです。

なんの豆を発芽させたものですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト スーパーで売られているもやしのほとんどは緑豆もやしで、日本国内の9割を占めているんですよ。

 もやしは豆類の種子を発芽させ、暗所で栽培した野菜であり、光合成を行わないため白い色をしています。もやしの原料として大豆や緑豆、ブラックマッペが用いられますが、スーパーで安価で売られているもやしのほとんどは、緑豆から育てたもやしです。

 天候に左右されない育て方ができるため、価格の優等生としても知られています。もやしはその見た目から栄養価が低いと思われがちですが、ビタミンやミネラルをバランスよく含んでおり、手に入りやすく使いやすい野菜であると言えます。

もやしの種類

もやしの種類■緑豆
 緑豆もやしはグリーンマッペとも呼ばれ、日本国内で流通しているもやしの9割を占めており、一般的なもやしと言えば緑豆もやしを意味します。

 やや太くて食べごたえがあり、クセのない味が特徴であるため、どんな料理にもよく合います。種子は中国やミャンマーなどで生産されています。

■大豆
 黄色っぽい大豆部分が付いたまま流通しており、もやしだけでなく、大豆部分のポリポリとした食感が特徴のもやしです。ナムルやスープなどに用いられ、独特の食感が人気ですが、一般的な安価なもやしと比べるとやや金額が高くなります。

 大豆が原料であるため、大豆もやしにはタンパク質が多く含まれているのが、他の種類のもやしとの大きな違いです。種子の原産国は大豆の産地でも知られるアメリカやカナダ、中国となっています。

■ブラックマッペ
 ブラックマッペはケツルアズキと呼ばれるマメ科の黒い豆が原料のもやしであり、黒豆もやしとも呼ばれます。

 緑豆もやしに比べるとやや細めであり、シャキシャキとした食感が楽しめることから、ラーメンや焼きそば、お好み焼きなどに用いられています。種子の原産地はタイやミャンマーなどとなっています。

もやしに含まれている栄養素

もやしに含まれている栄養素
もやしって安いし、白くてヒョロヒョロですけど、栄養はないんですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト もやしには栄養がバランスよく含まれていますよ。種となる豆の種類によって多少栄養は異なります。

発芽する前の豆と同じ栄養ってことですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト 発芽することで、豆に少ししかなかったビタミンCがすごく増えるんですよ。

■栄養バランスがよく低カロリー
 もやしにはビタミンCが比較的多く含まれているほか、植物性タンパク質やビタミンB1ビタミンB2カルシウム、食物繊維などを含んでおり、栄養バランスのよい野菜です。

 もやしは発芽することで、豆の中では微量だったビタミンCの含有量が一気に増えます。もやしの種類はさまざまありますが、どのもやしにも共通して、ビタミンCが比較的多く含まれています。

 ビタミンCは免疫力を向上させ、風邪やインフルエンザの予防に効果があるほか、肌にハリを与えるコラーゲンの生成に関わっており、シミやそばかすにも効果があります。また、鉄分の吸収を助け、貧血の予防効果も期待できます。

■アミラーゼがデンプンの分解を助ける
 もやしは豆類を発芽させたものの総称で、大豆もやしのほか、緑豆やアルファルファもやしなどがあります。大豆もやしには体内で作ることのできない必須アミノ酸のトリプトファンやリジンを含んでいます。

 また、もやしにはアミラーゼと呼ばれるデンプンの消化を助ける消化酵素が含まれており、主食と一緒に食べたい食材と言えます。


栄養解説
皮膚や粘膜の健康に欠かせない!〜ビタミンB2の働きと効果をポイント解説〜
やはりビタミンCはすごい!〜免疫の働きも助ける最強の美容ビタミンを解説〜
【意外に知らない】骨に欠かせないマグネシウム〜摂取の黄金比率を解説〜



もやし100gあたりの栄養価

もやし100gあたりの栄養価

 以下の表では、緑豆もやし100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 30kcal
炭水化物 5.94 g
糖類 4.13 g
食物繊維 1.8 g
脂肪 0.18 g
タンパク質 3.04 g
ビタミンA相当量 1 μg
βカロテン 6 μg
ビタミンB1 0.084 mg
ビタミンB2 0.124 mg
ビタミンB3 0.749 mg
ビタミンB5 0.38 mg
葉酸 61 μg
コリン 14.4 mg
ビタミンC 13.2 mg
ビタミンK 33 μg
ナトリウム 6 mg
カリウム 149 mg
カルシウム 13 mg
マグネシウム 21 mg
リン 54 mg
出典:USDA食品成分データベース

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高めるもやしの食べ合わせ
もやしの栄養バランスがよいことはわかりましたが、どんな食べ物と食べ合わせるとよいのですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト もやしは美容ビタミンとも呼ばれるビタミンCが比較的多いので、ビタミンB2を併せるといいですよ。

どうしてビタミンB2なんですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト ビタミンB2はお肌の健康維持に欠かせないビタミンだからです!

 もやしには美容ビタミンとも呼べるビタミンCが比較的多く含まれていますが、同じくお肌の健康維持に役立つビタミンB2を併せて摂ると効果的です。ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持に欠かせないビタミンであり、不足すると炎症が起こりやすくなります。

 ビタミンB2はレバーに圧倒的に多く含まれており、レバーの種類は牛でも豚でも鶏でも構いません。もやしとレバーを炒め物にすることで、ビタミンB2ビタミンCの美容効果だけでなく、レバーに豊富に含まれている鉄分も併せて摂ることができます。

 ビタミンCは美容効果だけでなく、鉄分の吸収を助ける働きもありますので、貧血の予防効果も期待できます。

 レバーが苦手な方は、うなぎや納豆にもビタミンB2が多く含まれていますので、上手にもやしと組み合わせてみましょう。


関連食材
【意外に知らない】レバーの栄養成分〜健康効果を詳しく解説〜
やはりすごい!うなぎの栄養成分〜体に嬉しい効果について詳しく解説〜
【実はすごい!】納豆の栄養〜効能や効果的な食べ方をポイント解説〜



一緒に食べるとよい食材
期待できる効果


一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
たまねぎ
セロリ
ふき
コンニャク
高血圧、動脈硬化の予防
ほうれん草
レバー
納豆
貧血の予防と改善、
美肌効果
アサリ
シジミ
鶏肉
肝臓病予防、
脳の活性化
白菜
大根
かぶ
やまいも
胃腸の調子を整える

もやしの栄養を逃さない洗い方

もやしの洗い方

 もやしにはビタミンB群やビタミンCが含まれていますが、いずれも水溶性ビタミンです。また、カリウムも含まれていますが、水に溶けやすい性質があります。そのため、もやしを洗う際に水に長時間浸けたりすると、せっかくの栄養分が流れ出てしまいます。

 洗うとしても、水でさっと洗ってからザルにあけ、水気を切っておくようにします。なお、もやしは非常にきれいな水で栽培が行われていますので、必ずしも洗う必要はありません。

もやしの栄養をしっかり摂る調理法

もやしの栄養を摂る調理法

 もやしを加熱調理する場合は、栄養が水に溶けやすいことからもわかるように、茹でてしまうとせっかくのビタミンB群やビタミンC、カリウムが水に溶け出してしまいます。

 そのため、もやしを茹でることはあまりおすすめしませんが、茹でる場合は短時間で済ませるようにします。また、茹で汁も飲むことができる汁物や鍋にすると、溶け出した栄養も摂ることができます。

 もやしのおすすめ調理法は「炒める」です。強火でさっと炒めることで、栄養を逃すことなく、シャキシャキとしたもやしの食感を残すことができます。

 また、電子レンジで加熱することもおすすめです。シャキシャキ食感は多少損なわれるものの、栄養が溶け出す心配がなく、手軽に調理することができます。

もやしの栄養を損なわない保存方法

もやしの保存方法

 もやしは他の野菜に比べて日持ちしないのが特徴です。未開封のもやしであれば2〜3日は持ちますが、開封すると傷みやすくなるため、原則翌日までには使い切りたいところです。

 開封したもやしを少しでも長持ちさせたい場合は、水にもやしを浸し、冷蔵庫に入れることで数日もたすことができます。ただし、もやしの栄養は水に溶けやすいため、もやしのシャキシャキとした食感は残すことができますが、栄養は失われてしまいます。

 未開封のもやしが余ってしまった場合は、袋ごと冷凍することも可能です。シャキシャキとした食感は失われてしまいますが、栄養を残すことはできますので、スープなどの調理に使うのがおすすめです。

栄養満点!
もやしの食べ合わせレシピ

もやしの食べ合わせレシピ

もやしと納豆の卵和え
栄養 もやしのビタミンCと、納豆に豊富に含まれているビタミンB2を併せて摂ることで、皮膚や粘膜を健康に保ち、美肌効果が期待できます。
材料 もやし1袋(200g)
納豆2パック
卵1個
めんつゆ少々
食用油少々
ごま油適量
作り方
  1. 熱したフライパンに少量の油をひいてから、もやしを入れて炒める。

  2. もやしのシャキシャキとした食感が残る程度まで炒めたら、ごま油を回しかけ、全体に馴染ませたら火を止める。

  3. ボウルに納豆を入れてから、卵を割り入れ、味付け用のめんつゆを入れてから、フワッと泡立つまでよく混ぜる。

  4. 3のボウルに2のもやしを入れて混ぜ合わせ、器に盛ったら出来上がりです。

もやしとレバーの炒め
栄養 もやしのビタミンCと、レバーに豊富に含まれているビタミンB2を併せて摂ることで、皮膚や粘膜を健康に保ち、美肌効果が期待できます。
材料 もやし1袋(200g)
レバー200g
牛乳少々
片栗粉適量
油適量
ごま油適量
醤油小さじ1
砂糖小さじ1
塩コショウ適量
中華だしのもと小さじ1
すりおろしニンニク小さじ1
作り方
  1. レバーを食べやすい大きさに切り、牛乳に20分ほど漬け込んで臭みをとる。

  2. レバーを牛乳から取り出し、醤油、酒、ニンニクのすりおろし、砂糖、塩コショウを加えて揉み合わせる。

  3. 2に片栗粉をまぶしておく。

  4. フライパンに油を加えて熱し、レバーを入れて火が通るまで炒める。

  5. もやしを加えて強火でさっと炒め、鶏ガラスープのもとを加えて味を調える。

  6. 全体に火が通ったらごま油を軽く回しかけ、器に盛りつけて出来上がりです。

もやしとうなぎの炒め
栄養 もやしのビタミンCと、うなぎに豊富に含まれているビタミンB2を併せて摂ることで、皮膚や粘膜を健康に保ち、美肌効果が期待できます。
材料 もやし1袋(200g)
うなぎの蒲焼1尾
うなぎのタレ大さじ4
すりおろしニンニク小さじ1
塩コショウ少々
酒大さじ1
山椒少々
作り方
  1. うなぎは食べやすい大きさに切る(3〜4cm角)。

  2. フライパンに油とニンニクを入れて熱し、もやしを入れて強火でさっと炒める。

  3. もやしに火が通ったうなぎを入れて軽く炒め、うなぎのタレを入れて全体になじませる。

  4. 酒を回しかけて軽く炒め、全体に火が通ったら器に盛り付ける。お好みで山椒を振りかけたら出来上がりです。

まとめ

もやしの食べ合わせと栄養まとめ

 もやしはその見た目から栄養がないと思われがちですが、実はビタミンやミネラルがバランスよく含まれた、栄養価の高い野菜です。しかも天候に左右されず安定した価格で年中販売されているため、価格の優等生とも呼ばれています。

 もやしにはビタミンCが多く含まれており、健康なお肌に欠かせないコラーゲンの生成を助けたり、シミの原因となるメラニン色素の発生を抑える働きも期待できます。

 もやしと一緒に食べ合わせるとよい食材として、お肌の健康維持に欠かせないビタミンB2を含む食材が挙げられますが、もやしに不足しているβカロテンを多く含む食材を一緒に食べることで、栄養バランスを保ちながら美肌効果を高めるのもおすすめです。


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|りょくとうもやし/生

出典6:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|だいずもやし/生

出典7:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|ブラックマッペもやし/生

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