更新:
ココアはチョコレートと同じくカカオ豆を原料としており、非常に栄養価の高い食材です。ココアにはビタミンB群やナイアシン、パントテン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分、食物繊維が豊富に含まれていますが、脂質が多いのも特徴です。ココアの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
ココアの原料はチョコレートと同じカカオ豆であり、カカオ豆を発酵・焙煎してからすり潰したカカオマスから油脂分を取り除いたものが原料となります。
カカオの栽培の歴史は古く、南アメリカでは古代より栽培されてきました。チョコレートは16世紀ごろにヨーロッパに伝わり、チョコレート飲料として飲まれるようになりましたが、脂肪分が多く、ドロドロとしたペースト状の飲み物でした。
19世紀になるとカカオマスから油脂を取り除く方法が開発され、細かい粉にすり潰せるようになったため、お湯に溶けやすい現在のココアが出来上がりました。そのため、原料が共通しているココアとホットチョコレートには明確に区別する定義がありません。
カカオマスからココアバターと呼ばれる油脂分を取り除いた残りの部分を粉砕したものがココアパウダーと呼ばれます。このココアパウダーに砂糖とお湯を混ぜて弱火でペースト状になるまで練り、牛乳で混ぜるとココアが出来上がります。
一般的に市販されているココアは、作りやすいよう牛乳を注ぐだけで飲めるようにできており、「調整ココア」と呼ばれています。
ココアは非常に高い栄養価の飲み物です。ココアにはポリフェノールのケルセチンが非常に豊富に含まれています。ケルセチンには強い抗酸化力があり、体内で活性酸素が発生するのを抑える働きが期待できます。
ココア特有のほろ苦さはテオブロミンという物質によるものです。テオブロミンには自律神経の働きを抑えて気分をリフレッシュする働きがあるとされており、イライラや不眠の解消に役立つと考えられています。
ココアにはビタミンB群やナイアシン、パントテン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分、食物繊維などが豊富に含まれています。ビタミンB群は疲労回復効果が期待できるほか、ナイアシンは血行をよくして冷え性を改善し、パントテン酸はストレスや風邪に強い体づくりに役立つと言われています。
ココアは栄養価の高い飲み物ですが、非常に多くの脂質を含んでいますので、飲み過ぎには注意が必要です。
以下の表では、ココア(ピュアココア)100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 271kcal |
炭水化物 | 42.4 g |
食物繊維 | 23.9 g |
脂肪 | 21.6 g |
飽和脂肪酸 | 12.40 g |
一価不飽和 | 6.88 g |
多価不飽和 | 0.70 g |
タンパク質 | 18.5 g |
ビタミンB1 | 0.16 mg |
ビタミンB2 | 0.22 mg |
ビタミンB3 | 2.3 mg |
ビタミンB5 | 0.85 mg |
ビタミンB6 | 0.08 mg |
葉酸 | 31 μg |
ビタミンE | 0.3 mg |
ビタミンK | 2 μg |
カリウム | 2800 mg |
カルシウム | 140 mg |
マグネシウム | 440 mg |
リン | 660 mg |
鉄分 | 14.0 mg |
亜鉛 | 7.0 mg |
銅 | 3.80 mg |
カフェイン | 1 mg |
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
---|---|
寒天 ところてん モロヘイヤ |
高血圧、 動脈硬化の予防 |
栗 柿 パパイヤ じゃがいも |
ガン予防、 便秘解消 |
ヨーグルト 牛乳 クルミ |
精神安定、 集中力をつける |
きゅうり うり かぼちゃ うど |
利尿作用、 腎臓病の予防 |
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|ココア/ピュアココア |