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グリーンピースは子供にとって好き嫌いが分かれますが、鮮やかな緑色が料理の彩りとして重宝されています。タンパク質、炭水化物のほか、ビタミン、ミネラルを豊富に含んでおり、特にビタミンB群やカリウムが多く含まれています。グリーンピースの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
グリーンピースが育てられているところを見たことがあると言える人はあまりいないと思いますが、グリーンピースはえんどう豆が熟す前に収穫したものであり、さやえんどうの成長が進んだものとも言えます。
グリーンピースは子供にとって好き嫌いが分かれる食べ物です。生鮮食品の売り場で見かけることはあまりなく、ミックスベジタブルやチキンライスに入った状態で見る事の方が多いのではないでしょうか。丸くてきれいな緑色をしているため、料理の彩りとしてとても重宝されています。
名前が英語であるため日本で栽培されていないようなイメージがありますが、鹿児島県や熊本県などで栽培されており、5月が出荷のピークとなります。
■ビタミンB群が豊富
グリーンピースはタンパク質、炭水化物のほか、ビタミン、ミネラルを豊富に含んでいます。特にビタミンB1やビタミンB2などのビタミンB群、ビタミンC、カリウムを多く含んでいます。
グリーンピースのタンパク質はアミノ酸バランスに優れており、人の身体では合成することのできない必須アミノ酸のリジンやアルギニンのほか、アスパラギン酸、グルタミン酸などを含んでいます。
リジンは脳を活性化し、アルギニンは成長ホルモンの合成に関わっており子供の成長にとても大切です。またアスパラギン酸には体力増強、疲労回復効果があります。
■野菜以上の食物繊維が含まれている
グリーンピースにはレシチンやオレイン酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれています。これらには血中コレステロールを下げる働きがあり、高血圧や動脈硬化の予防効果が期待できます。
また、レシチンには血栓を溶かす働き、リノレン酸には血栓ができにくくする効果があるとされており、血液をサラサラにする働きがあると言われています。
このほか、グリーンピースには不溶性食物繊維が豊富に含まれており、整腸作用による便秘の改善効果も期待できます。
以下の表では、グリーンピース100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 81kcal |
炭水化物 | 14.45 g |
糖類 | 5.67 g |
食物繊維 | 5.1 g |
脂肪 | 0.4 g |
タンパク質 | 5.42 g |
ビタミンA相当量 | 38 μg |
βカロテン | 449 μg |
ビタミンB1 | 0.266 mg |
ビタミンB2 | 0.132 mg |
ビタミンB3 | 2.09 mg |
ビタミンB5 | 0.104 mg |
ビタミンB6 | 0.169 mg |
葉酸 | 65 μg |
コリン | 28.4 mg |
ビタミンC | 40 mg |
ビタミンK | 24.8 μg |
カリウム | 244 mg |
カルシウム | 25 mg |
マグネシウム | 33 mg |
リン | 108 mg |
鉄分 | 1.47 mg |
亜鉛 | 1.24 mg |
銅 | 0.176 mg |
マンガン | 0.41 mg |
■一握りでサラダ並みの食物繊維
グリーンピースは子供が嫌いな食べ物としてもよく名前が挙がりますが、身体にとって大切な必須アミノ酸が含まれているほか、ビタミンB群やカリウムが多く含まれています。
なかでもグリーンピースで特筆すべきなのが、食物繊維の含有量です。食物繊維と言えばゴボウやセロリを想像しがちですが、グリーンピースには野菜を上回る食物繊維が含まれており、一握りのグリーンピースでサラダに匹敵する食物繊維が含まれていると言われています。
この食物繊維が豊富なグリーンピースと一緒に食べ合わせるとよい食材として、同じく食物繊維が豊富なワカメや昆布が挙げられます。
■水溶性と不溶性の食物繊維で便通改善
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があり、その名の通り、水に溶けないか、水に溶けるかの違いがありますが、どちらも消化吸収することはできないため、人間の栄養にはなりません。
グリーンピースに含まれている食物繊維は不溶性食物繊維であり、水分を含んで膨らむことで便量が増すほか、腸のぜん動運動を促すため、便秘の改善効果があります。
一方、昆布やワカメに含まれている水溶性食物繊維は水に溶けてドロドロとしたゲル状になり、腸内の不要物を絡め取りながら移動するため、腸内をきれいにする働きがあります。
そのため、グリーンピースとワカメや昆布を食べ合わせることで、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の働きにより、整腸作用による便通改善効果が期待できます。
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
---|---|
キャベツ 白菜 ブロッコリー |
ガンの予防 |
トマト タマネギ ワカメ セロリ |
高血圧、動脈硬化の予防 |
昆布 ワカメ ひじき |
整腸作用 便秘の解消 |
イワシ マグロ 大豆 鶏卵 |
脳の活性化 |
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|グリンピース/生 |