本文へスキップ
栄養効果が何倍にも!?食材が持つチカラを引き出す食べ合わせ解説サイト|メディカルアーカイブ

<当サイトは医療専門職が監修・運営しています>

良い?悪い?鯛の食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

更新:


 タイは日本人にとって、お祝いの席で食べる魚として定番です。タイは高タンパクでありながら低カロリーな白身魚で、消化吸収がよく胃が弱っている人や体力が落ちている人にも最適な食材です。タイの旨味成分としてイノシン酸が含まれています。タイの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


鯛はどんな食材?

鯛はどんな食材か

 タイはスズキ目タイ科に属する魚であり、「〜ダイ」と名の付く魚は非常にたくさん種類がありますが、一般的にはタイと言えば「マダイ」を意味します。日本ではタイが高級魚とされており、赤い色がめでたい色であることから、お祝い事や縁起物の食材として重宝されてきました。

 天然のタイは流通量が少ないことから値段が高く、養殖のタイは比較的安価な価格で購入することができます。塩焼きや煮つけのほか、刺身や混ぜごはん(鯛めし)として食されています。

鯛に含まれている栄養素

鯛に含まれている栄養素

高タンパク低カロリーな白身魚
 タイは高タンパクでありながら低カロリーな白身魚で、消化吸収がよく胃が弱っている人や体力が落ちている人にも最適な食材です。

 タイの旨味成分としてイノシン酸が含まれています。このイノシン酸には細胞の細胞の再生を助ける働きがあると言われており、老化防止の効果が期待できます。

 また、タイにはビタミンB1、B2、ナイアシンなどのビタミン、カリウムマグネシウム、銅、亜鉛といったミネラルが豊富に含まれています。ビタミンB1はエネルギー代謝を促進して疲労回復、ナイアシンは血行をよくして冷え性の改善に効果があります。

■カリウムの含有量は魚介類でトップクラス
 タイにはカリウムが豊富に含まれており、その含有量は魚介類の中でトップクラスです。カリウムは体内の水分量を調整したり、余分なナトリウムの排泄を促す働きがあると言われています。

 また、タイには銅や亜鉛も含まれています。銅は造血に働く鉄分の吸収を助ける働きがあり、亜鉛には精力増強効果があります。このほか、タウリンも豊富に含まれており、心臓や肝臓の機能を向上させる働きがあると言われています。


鯛100gあたりの栄養価

鯛100gあたりの栄養価

 以下の表では、鯛(まだい)100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 142 kcal
炭水化物 0.1 g
脂肪 5.8 g
飽和脂肪酸 1.47 g
一価不飽和 1.59 g
多価不飽和 1.38 g
タンパク質 20.6 g
ビタミンB1 0.09 mg
ビタミンB2 0.05 mg
ビタミンB3 6.0 mg
ビタミンB5 0.64 mg
ビタミンB6 0.31 mg
葉酸 5 μg
ビタミンB12 1.2 μg
ビタミンD 5.0 μg
ビタミンE 1.0 mg
ナトリウム 55 mg
カリウム 440 mg
カルシウム 11 mg
マグネシウム 31 mg
リン 220 mg
鉄分 0.2 mg
亜鉛 0.4 mg
0.02 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高める鯛の食べ合わせ

■旨味成分のイノシン酸が豊富
 鯛は高タンパク低カロリーな白身魚の代表格であり、消化吸収がよいことから赤ちゃんの離乳食の食材としても使われています。

 鯛には旨味成分のイノシン酸が豊富に含まれています。代表的な旨味成分は3つあり、昆布の旨味成分であるグルタミン酸、かつお節の旨味成分であるイノシン酸、シイタケの旨味成分であるグアニル酸があります。

 イノシン酸は肉類に多く含まれており、時間が経っても分解しにくいのが特徴です。そのため、鯛の鮮度が落ちてもイノシン酸の旨味成分が低下しにくいことから「腐っても鯛」という言葉が生まれたと言われています。

 このイノシン酸は単体で摂るよりも、グルタミン酸と組み合わせることで旨味が飛躍的に強くなることがわかっており、ダシをとる際もかつお節と昆布を組み合わせる手法が古くから用いられてきました。

■昆布と組み合わせることで旨味が倍増
 イノシン酸が豊富な鯛と一緒に食べ合わせるとよい食材として、昆布が挙げられます。昆布にはグルタミン酸が非常に多く含まれており、かつお節との組み合わせと同様、鯛と昆布を組み合わせることで旨味を増すことができます。

 また、鯛には魚介類でトップクラスのカリウムが含まれており、むくみの解消や、体内の余分なナトリウムの排泄を促す働きがあります。このカリウムの働きを助けるのが、昆布やワカメ、ひじきなどの海藻に含まれている水溶性食物繊維のアルギン酸です。

 アルギン酸は昆布を切った時に出てくるネバネバした成分に含まれており、カリウムと協力して体内の余分なナトリウムを排泄する働きがあると言われています。

 そのため、鯛と一緒に昆布を食べ合わせることで旨味が増すだけでなく、高血圧の予防効果も期待できます。

関連食材
わかめの栄養 わかめの栄養と効能効果〜ヌルヌル成分に秘めた働きを徹底解説〜
【実はすごい!】昆布の栄養〜効能や効果的な食べ方をポイント解説〜
ひじきの栄養成分と効能〜体に嬉しい効果と食べ合わせのコツ〜



一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
ごぼう
昆布
オクラ
アスパラガス
高血圧予防
コレステロール低下
ネギ
レンコン
ショウガ
ニンニク
貧血、冷え性の改善
イカ
タコ
やまいも
鶏肉
滋養強壮
肝機能強化
大根
かぼちゃ
れんこん
胃腸の働きを強化


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|まだい/養殖/皮つき/生

関連記事
知っておきたい!魚介類の食べ合わせと栄養
食べ合わせとは一体なに?
知っておいて損はない!食べ合わせの悪い食材とは
知らなかった!実は無意識にやっていたよい食べ合わせとは
うなぎと梅干し、天ぷらとスイカ、本当に食べ合わせはよくないの?




食べ合わせを食材別に調べる

野菜 果物 きのこ
野菜 果物 キノコ
肉・乳製品 魚介類 海藻
肉・乳製品 魚介類 海藻
豆類 種子類 嗜好品
豆類 種子類 嗜好品