更新:
みつばは日本中に自生しており、江戸時代から栽培が始まりました。現在流通しているのはハウスでの水耕栽培がほとんどとなっています。みつばにはカロテンやカリウム、カルシウムが多く含まれており、香りと食感が楽しめる野菜です。みつばの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
みつばはせり科の多年草であり、東アジアに広く生息し、日本でも北海道から沖縄に至るまで広く分布しています。江戸時代あたりから栽培されるようになり、さわやかな香りが特徴で、和製ハーブとも言えます。
現在は主にハウスによる水耕栽培が行われ、一年を通して流通しています。お浸しや和え物のほか、丼ものや吸い物の彩りとして添えられることもあります。
■βカロテンやカリウムが豊富
みつばにはβカロテンやカリウム、カルシウムが多く含まれています。カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり、粘膜や皮膚を丈夫にして免疫力を高めたり、抗酸化作用によりガンや老化の原因となる活性酸素を抑え、動脈硬化や生活習慣病の予防に効果があります。
カリウムは体内の余分なナトリウムを排泄し血圧を下げる働きがあるほか、体内の水分量を調節してむくみの解消に効果があります。
■みつばの香りがイライラを鎮める
みつばはせり科の多年草です。せり科と言えばセロリに代表されるように特有の香りがあり、好みが分かれるところです。
みつば特有の香りはクリプトテーネンとミツバエンという物質によるものです。これは胃腸の働きを整えて食欲を増進させたり、神経を鎮めてイライラを解消する効果があると言われています。
せっかくの香味野菜ですから、薬味として生のまま使ったり、茹で時間を短くするなど、香りが引き立つような調理法にしてみましょう。
以下の表では、みつば100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 20 kcal |
炭水化物 | 4.1 g |
食物繊維 | 2.9 g |
脂肪 | 0.1 g |
タンパク質 | 1.9 g |
ビタミンA相当量 | 140 μg |
βカロテン | 1700 μg |
ビタミンB1 | 0.05 mg |
ビタミンB2 | 0.13 mg |
ビタミンB3 | 1.0 mg |
ビタミンB5 | 0.33 mg |
ビタミンB6 | 0.06 mg |
葉酸 | 66 μg |
ビタミンC | 22 mg |
ビタミンE | 1.1 mg |
ナトリウム | 5 mg |
カリウム | 500 mg |
カルシウム | 52 mg |
マグネシウム | 21 mg |
リン | 64 mg |
鉄分 | 1.8 mg |
亜鉛 | 0.2 mg |
銅 | 0.07 mg |
みつばはβカロテンやビタミンC、カリウムやカルシウムなど、各種のビタミンやミネラルを含んでいますが、特筆すべきはカリウムの多さです。
カリウムは体内の水分量を調節したり、余分なナトリウムの排泄を促す働きがあることがわかっており、むくみの解消や高血圧の予防効果が期待できます。
このカリウムが豊富なみつばと一緒に食べ合わせるとよい食材として、大豆や大豆製品が挙げられます。
大豆にもカリウムが豊富に含まれているため、みつばのカリウムとともに、体内の余分なナトリウムの排泄効果が期待できるほか、大豆にはカルシウムも豊富に含まれています。
カルシウムは丈夫な骨や歯を維持するのに欠かせないミネラルですが、神経伝達にも関わっているため、カルシウムが不足すると神経伝達がうまくいかなくなり、イライラしたり、怒りっぽくなったりします。
みつばには特有の香り成分が含まれており、神経を鎮める効果があると言われているため、カルシウムが加わることでイライラの解消や、精神の安定効果が期待できます。
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
---|---|
トマト 大豆 ニラ 春菊 |
高血圧、心筋梗塞の予防 |
レタス ピーマン ゴマ |
美肌効果 |
かぼちゃ にんじん ほうれん草 |
ガン予防 老化防止 |
白菜 大根 かぶ やまいも |
胃腸の調子を整える |
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|糸みつば/葉/生 |