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良い?悪い?アジの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

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 アジといえばアジフライや刺身が有名ですが、アジにはビタミン、ミネラルのほか、豊富にアミノ酸が含まれています。なかでも特記すべきは、DHAとEPAです。アジなどの青魚の脂質には、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。アジの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


アジはどんな食材?

鯵はどんな食材か

 アジはアジ科に含まれる魚なの総称であり、世界中に生息しています。日本の周辺ではマアジが多く生息しており、日本人にとっては馴染みのある魚の1つです。

 アジの身はピンク色をしており、白身と赤身のそれぞれの特徴を持っています。日本ではアジフライなどの揚げ物、刺身や寿司、焼き魚、煮魚として料理されているほか、干物などに加工されています。

 また、アジの中でもシマアジは高級食材として利用されるほか、ムロアジはくさやの原料として利用されています。

アジに含まれている栄養素

鯵に含まれている栄養素

■アジは栄養バランスに優れている
 アジにはビタミンB1ビタミンB2ビタミンDなどの各種ビタミン、カリウムなどのミネラルのほか、アミノ酸が豊富に含まれています。

 必須アミノ酸やタウリンも多く含まれており、良質なタンパク源として肉に負けない栄養バランスに優れた食材であると言えます。

■アジの脂質には不飽和脂肪酸が豊富
 アジで特記すべきはDHAとEPAです。アジなどの青魚の脂質には、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。

 DHAは脳の神経細胞に含まれている物質で、脳機能や神経組織の情報伝達を活性化する働きがあります。「頭がよくなる」として一時期話題になったのはこのためです。このほか、体質を改善してアトピー性皮膚炎にも効果があるとされています。

 EPAは血栓を溶かし血管を拡張する働きがあるため、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症の予防と改善に効果があると言われています。アジにはDHAのほうが多く含まれています。このほかタウリンも多く含まれており、高血圧を始めとする生活習慣病の予防効果が期待できます。

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アジ100gあたりの栄養価

鯵100gあたりの栄養価

 以下の表では、アジ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 158kcal
脂肪 7.89 g
飽和脂肪酸 2.247 g
一価不飽和 2.629 g
多価不飽和 1.94 g
n-3 1.564 g
タンパク質 20.07 g
ビタミンB1 0.111 mg
ビタミンB2 0.421 mg
ビタミンB3 8.32 mg
ビタミンB5 0.316 mg
ビタミンB6 0.33 mg
ビタミンB12 4.4 μg
コリン 66.9 mg
ビタミンC 2 mg
ビタミンD 366 IU
ビタミンE 1 mg
ナトリウム 86 mg
カリウム 406 mg
カルシウム 23 mg
マグネシウム 28 mg
リン 125 mg
鉄分 1.16 mg
亜鉛 0.67 mg
出典:USDA食品成分データベース

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高める鯵の食べ合わせ

■硫化アリルがビタミンB1の吸収を助ける
 アジは栄養バランスに優れており、焼き魚やフライ、刺身、たたき、唐揚げなど、日本人の食卓には大変馴染みのある食材です。ビタミンB1ビタミンB2カリウム、タウリンが多く含まれていますが、特筆すべきは不飽和脂肪酸であるDHAやEPAを豊富に含んでいることです。

 このビタミンB群や不飽和脂肪酸を豊富に含むアジと一緒に食べ合わせるとよい食材として、ネギやタマネギ、ニラが挙げられます。

 ネギやタマネギ、ニラには硫化アリルの一種であるアリシンが含まれています。ネギやタマネギを切った時に感じる特有の香りはこのアリシンによるものです。アリシンにはビタミンB1と結びついてビタミンB1の吸収を助ける働きがあります。

 ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関わる補酵素の役割を果たすビタミンであり、不足すると疲労物質である乳酸が体内に蓄積しやすくなります。

■硫化アリルとEPAで血流改善
 硫化アリルにはコレステロールや血栓の代謝を促し、ドロドロした血液を改善する働きがあると言われています。

 アジに含まれている不飽和脂肪酸であるEPAには血栓を溶かして血流をよくする働きがあると言われており、硫化アリルの働きが加わることで動脈硬化の予防効果が期待できます。

 なお、ネギやタマネギに含まれている硫化アリルは熱によって壊れやすいため、調理する際はなるべく加熱しすぎないように工夫してみましょう。

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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
やまいも
れんこん
唐辛子
コレステロール低下
アサリ
イカ
タコ
ニンジン
ピーマン
スタミナアップ、体力回復
やまいも
ごま
大豆
老化防止、脳の活性化
タマネギ
ネギ
シソ

オリーブオイル
高血圧、動脈硬化の予防


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|まあじ/皮つき/生

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